1日の感染者が初めて100人を超えた愛知県。例年であれば、多くの親子連れで賑わう夏休みの人気スポットにも影響がでています。

 コロナの影響で休止していたキリンビールの工場見学。きょう再開する予定でしたが、感染拡大を受けて引き続き休止することになりました。

愛知県清須市にあるキリンビール名古屋工場。ビールのほかチューハイなど20種類のアルコール類を製造しています。

生産されたビールは東海3県を中心に出荷されます。この工場では製造ラインを見て回る工場見学ができ、去年の夏休みは、親子連れなどおよそ1万8000人が訪れましたが、今年は…。

キリンビール名古屋工場の副工場長:
「ちょうど今日から再開の予定だったんですけれども、直近1~2週間で愛知県での感染者が激増している。断腸の思いで、再開を当面の間延期するという判断をさせていただきました」

 工場見学は新型コロナウイルスの影響で今年3月から休止に。28日から1回の参加者を通常の30人から10人に減らして再開する予定でした。

副工場長:
「実際にお客さまに手に取っていただいて、匂いをかいでいただいたりとか。これは麦芽ですけど、実際に試食していただいたりとか」

Q.今は『お手を触れないでください』と書いてあります

副工場長:
「やっぱり来ていただいて、実際に体感していただくということがすごく大事かなと思っていますけれども、ちょっと今はそれができない」

 見るだけでなく、食べたり匂いを嗅いだりと、体験型のプログラムが人気の「キリンの工場見学」。消毒液や飛沫防止フィルムを設置して受け入れ準備を整えていましたが、再開を先送りしました。

福井副工場長:
「工場見学のお客様は、愛知県から来ていただくお客さまが多いんですけれども、そのなかで第2波の山がきているということを認識せざるを得ないといわれていますので。危険な状況だと、万全の体制をとっていたとしても、工場見学は難しいのかなと」

第2波を認識せざるを得ない状況。

 愛知県で27日感染が確認されたのは76人。このうちの4人を含む20代から30代の男女12人は、市内の夜の接客を伴う飲食店に関連し感染が広がったとして、県は新たなクラスターに認定されました。

このほか名古屋市内では、繁華街「錦三丁目」の「カラオケバー」や「会員制クラブ」で確認されたクラスターを中心に、栄・新栄などのホストクラブや居酒屋、クラブなどで感染が拡大。

河村名古屋市長:
「コロナ気を付けてちょう」

感染拡大を受けて27日、中区の繁華街「錦三丁目」で感染予防のビラを配った名古屋市の河村市長。

河村名古屋市長:
「どんちゃん騒ぎ、大騒ぎ。まあ昔のジュリアナだがね。ああいうの(ディスコ)はやっぱり危ないで、避けてもらわないかん」

 加えて気になるのが、検査数に対して感染が確認される割合が増えていることです。

 名古屋市内の患者数とPCR検査での陽性率を表すグラフでは、検査数に占める陽性患者の割合は、7月第3週の平均は14.6%でしたが、第4週は31.1%と倍以上に増えています。

陽性率の高まりが、感染者数の増加を裏付ける形になっています。

このほか岐阜県では9人の感染が確認され、このうち4人が感染経路不明。三重県では4人の感染が明らかになっています。

夏休みシーズンを迎える中での感染拡大。初めて一日の感染者が100人を超えた愛知県でも、夏の過ごし方の見直しが求められることになりそうです。