女子レスリングの強豪としても有名な愛知県大府市の至学館大学が、全ての学生、職員らあわせておよそ2000人を対象に、定期的なPCR検査を始めることになりました。

 手間も時間もかかる大規模な検査を実施する大学側の狙いとは…。

 大府市の至学館大学は9日、新型コロナ対策として、大学院生を含む全ての学生や職員らおよそ2000人を対象に、今後定期的なPCR検査を実施すると発表しました。

 検査は唾液を採取する形で大学内で実施されます。大学が所有する実験用の「リアルタイムPCRシステム」を使い、想定では1週間に200人ほど実施します。

 順に2か月かけて全員を検査。強制ではありませんが費用は大学側が負担します。

三浦裕教授:
「1台を専用に使おうと思っています。200名分くらいまでを毎週やろうと思っています。2か月に1回は1600人全員できるということになりますね」

 こうした定期的な検査、医学部や大学病院のない大学で行うのは珍しいといいます。なぜ大学側は手間もかかる大規模なPCR検査の実施を決めたのでしょうか。

谷岡学長:
「大学を大学らしい場所にしたい。若者が様々な形で授業以外にも学ぶ場である、そして皆がお互いに集まって切磋琢磨するこの機能を維持するためにはどうすればいいのか」

 新型コロナ対策で学内が密になるのを防ぐため、至学館大学ではオンライン講義を取り入れていますが、大学側としては検査で感染拡大の芽を事前に摘むことで、学生たちが安心して過ごせるキャンパスにしたいといいます。

 至学館大学といえば、オリンピック3連覇を果たした吉田沙保里さんが指導する女子レスリング部など部活動が盛んです。

 部活動では対外試合などで陰性の証明を求められることがあり、選手らには優先的にPCR検査を実施します。

谷岡学長:
「コロナと付き合いながら大学が機能するとはどういうことか。その1つのモデルを提示できればと考えています」

 至学館大学の全学生らを対象にしたPCR検査は、後期の授業が始まる10月24日から始まります。