去年の『あいちトリエンナーレ』をきっかけに始まった愛知県の大村知事のリコール署名活動。25日、一部の地域を除き署名集めは終わりました。

 大村知事と、活動を支援した河村名古屋市長の対立が決定的となる中、果たしてリコールは成立するのでしょうか。

河村名古屋市長:
「大村知事リコール署名。ちゃんとやってちょーよ。名古屋は今日でしまいだでよう。おかあちゃん方、お嬢さん方、昔のお嬢さんサインしてってちょーよ」

 25日、高須クリニックの高須院長と共に大村知事のリコール署名を呼びかけた河村市長。8月から始まった署名活動は25日をもって大部分の市町村で終了しました。

 愛知・名古屋のツートップの対立が決定的になったきっかけ…。それは、去年開かれた『あいちトリエンナーレ』です。

 企画展「表現の不自由展・その後」で慰安婦問題を象徴する少女像や、昭和天皇を含む肖像群が燃える映像作品などの展示に河村市長が反発。

河村市長:
「日本国民の心を踏みにじるもの。即刻、中止していただきたい」

 トップの大村知事の運営手法に批判を強めました。そんな中…。

高須クリニックの高須院長:
「国にとって恥ずかしい、愛知県民にとって恥ずかしい。そういうことをしてくれる知事は支持できない」

 今年6月、西尾市出身の高須院長らが大村知事のリコール署名を始めると表明。保守派の論客が応援に集まりました。

百田直樹さん:
「実行委員長として主催者で関わったのは大村知事です。これはどういう風なものであるということを全く説明できていませんね」

竹田恒泰さん:
「高須先生のこの活動に何とか力を割いてリコールを成立させたい」

 8月25日、リコール署名初日。

 大村知事に不満を持つ河村市長も署名活動に参戦。高須院長と共に自ら街頭に立ち、県民に呼びかけました。

 高須院長らは、展示内容はもちろん実行委員会に愛知県や名古屋市が名を連ねた『トリエンナーレ』で公金が使われたことを問題視する主張を展開。

 Twitterなどネットメディアも駆使し、署名を呼び掛けると多くの人が集まりました。

リコール署名した女性:
「大村さんがやっていることが許せないですし、トリエンナーレの事が一番大きかったかと思います。(Q.知事を辞めるべき?)私は思います。もう1回選挙をやってもらったほうがいいんじゃないかなと思います」

リコール署名した男性:
「なんというか僕として日本人として許せない行為だなって思いました」

 一方、リコール活動に冷ややかな声も…。

リコール署名していない男性:
「反対だと思う。辞めるのは河村市長の方だと思う。まともなことを言っている方が辞めさせるわけないでしょう」

リコール署名していない別の男性:
「県政はもっと総合的に判断しなきゃいけないものだと思うので、リコールには反対です」

高須院長:
「見た通りです。勝利はかたいと思いますよ。すごい盛り上がりです。ずっと見ててくださるとわかります。見たらわかるでしょ」

河村市長:
「反応はどえらけなくいいですよ。選挙だったら間違いなく当選です。ただリコールなので選挙の何千倍も難しい」

 一方、26日の会見で大村知事は…。

大村愛知県知事:
「事実関係、実態を公表される前ですから特にコメントはありません。いずれか公表されるんでしょ」

 25日でリコールの署名集めは終了しましたが、市長選などが行われた一部の市町では最大で12月まで活動が続きます。

 リコール成立に必要な署名は86万6000余り。高須院長らは11月4日までに一旦集まった署名を県選管に提出しますが、その前に集まった署名の数を公表するとしています。