寒くなってくると、いよいよイルミネーションの季節。新型コロナで大きな影響を受けた、愛知県の中部国際空港で、手作りのライトアップが行われました。

 中部空港で始まった冬のライトアップ。よく見ると、使われているのは「竹」です。

空港会社の担当者:
「去年はそれなりに『豪華さ』とかが軸になっていたんですけど」

 去年までとは違う「手作り」の竹あかり…そこには空港で働く人々の願いが込められていました。

 中部空港内の会議室。竹を使ったライトアップの準備の真っ最中です。服装も年齢もバラバラのメンバーですが…。

Q.お二人は同僚ですか?

航空会社の社員:
「客室乗務員をしております」

ハンバーガー店の店員:
「フレッシュネスバーガーでハンバーガーを売っています」

 航空会社から飲食店、清掃会社まで、所属は様々。共通しているのは、この空港で働いているということです。

航空会社の別の社員:
「思ったより上手にできたと思います。灯りがつくのが楽しみです」

 この企画を担当したのは、空港会社の入社4年目、古長愛香さんです。

古長さん:
「去年はそれなりに『豪華さ』とかが軸になっていたんですけど、(参加した人たちも)コロナの部分で色んな事情を皆さん抱えていらっしゃる中で、いろんなグループの方が一緒に何かを作るということに意味を感じている方もたくさんいたので」

 これまで、イルミネーションやクリスマスマーケットなど、毎年華やかで煌びやかな催しを企画してきた中部空港。しかし
新型コロナによる航空需要の落ち込みで、今年は一時、国際線が全便運休…。国内線も大幅に減便となり、空港内で営業する店舗も8割以上が休業する事態に。空港から人が消えました。

 自身の会社も業績が悪化する中、同じ中部空港で働く仲間を思い、古長さんが考えたのが、事業者も参加して作る手作りのライトアップです。

古長さん:
「私たちもセントレアに入居している事業者さんだったり、いろんな関係者に今できることがないかなって」

 仕事は違っても空港を思う気持ちはみな同じ。

ラーメン店の店長:
「(空港の)雰囲気が暗いというか、やれることがあれば積極的にやっていきたい思いはあった」

中部国際空港駅の駅員:
「(飛行機から)中部国際空港に降りて初めて利用するのが名鉄の中部国際空港駅なので、私たちも(お客さんを)元気にお迎えしたいなと」

古長さん:
「約40の事業者の色んな思いが竹あかりを通して表現できていると思うので、色んな思いを乗せる前向きな企画を作りたいと思いました」

 優しく灯る、竹あかり。空港の玄関口・アクセスプラザには空港のメンバーが作った作品が並んでいます。1日も早く賑わいを。竹に込めた願いは、みな同じです。

古長さん:
「今の状況がよくなればというのは皆さんが込められている思い。皆さんやる仕事は全然違うと思うんですけど、セントレアで働く一員として一緒に空港を盛り上げていきたいと思います」