新型コロナの感染拡大が止まらない中、政府は14日、年末年始の「GoToトラベル」の全国一斉停止に踏み切りました。

 この急な方針転換は、私たち利用者のほか色々なところに早くも大きな影響が出始めています。

 名古屋市港区にある旅行代理店。15日の業務は怒涛の電話対応から始まりました。

旅行代理店の担当者:
「沖縄への(旅行に)参加予定のお客様なんですけれども、日にちを変えようか検討していると。けさからですかね、ずっと電話も来店も複数ございまして」

 新型コロナの感染拡大に歯止めがかからない中、政府が決めた12月28日から来年1月11日までの「GoToトラベル」全国での一時停止。

 こちらの旅行代理店には、年末年始でおよそ1200件の予約が入っていますが、政府の決定を受け、予約の半分がキャンセルになると見込んでいます。

同担当者:
「その期間だけで、おおよそ数億円規模の予約を頂戴している状況ですので、経済的な面で考えますとやはりダメージは大きいと。これだけ感染拡大の状況が続いているということで、しっかり協力し早く感染拡大の収束の時期が来るように精一杯協力したいと思っております」

 政府の突然の方針転換に、15日開かれた東海3県の知事会議では…。

鈴木三重県知事:
「重大な局面を迎えているという認識をしております。これから人の移動が増える年末年始を迎える中、東海3県が引き続き緊密に連携して取り組みを進めていきたい」

 理解を示す三重の鈴木知事に対し、愛知の大村知事は恨み節…。

大村愛知県知事:
「(きのう西村大臣と)6時前に電話で話しましたが、(全国一時停止は)正直驚きました。年末年始は感染拡大防止を全力でやりたいという思いは一緒なので理解はいたします。ホテルの皆さんは稼働してなんぼなので、もうちょっと早く決断してアナウンスできなかったかなと思います」

 年末年始の書き入れ時を目前とした突然のGoToトラベル停止、東海地方の観光地からは…。

 例年、年末年始、年越し参りから初詣でおよそ50万人が訪れる伊勢神宮。神宮の参道「おはらい町」は、年末年始のGoToトラベル一時停止を受けため息で包まれました。

土産物店の担当者:
「やっと回復してきたかなと思った矢先に、年末年始は厳しいなと思います」

別の土産物店の担当者:
「すでに予約のキャンセルはかなり来てますので、今までに経験のない年末年始になると思いますけど」

 名古屋のマリオットアソシアホテルでは…。

名古屋マリオットアソシアホテルの担当者:
「きのうだけで12月が300件以上、1月が100件以上のキャンセルが入りまして」

 全国での「GoToトラベル」停止に先駆け、名古屋市を目的地とした旅行は14日夜の出発分から利用停止に。

 緊急事態宣言で激減したホテルの客は、GoToトラベルの対象に東京が追加された10月以降、7割台まで回復していただけに今回の決定を重く受け止めていました。

同担当者:
「年末年始も85%から90%くらい埋まっておりまして、こんなにインパクトがあると(影響が大きい)」

 クリスマス、年末年始…。繁忙期の直前に、翻弄される観光業界。厳しい冬となりそうです。