7日告示の岐阜県知事選挙。これまでに4人が立候補を表明しています。

 今回の知事選は55年ぶりに保守が分裂。激しい選挙戦が予想されますが、新型コロナの感染が拡大する中、各陣営はその対応にも苦慮しているようです。各候補の年末年始を取材しました。

野田聖子衆院議員:
「どなたにも推薦をしない」

 自民党が自主投票を決め、現職と元官僚で55年ぶりに保守が分裂。初の女性候補も…。コロナ禍の中の岐阜県知事選挙、告示直前の各候補を追いました。

■古田氏は『公務優先!ウイルス対応アピール』

 現職の古田肇さんは、公務に追われる年末年始となりました。

現職の古田氏:
「皆さま、大晦日になりましたけども、ご苦労様でございます」

 新型コロナの感染拡大で大晦日でも会議を開き、対応を協議。年が明けると真っ先に向かったのは、鳥インフルエンザが確認された美濃加茂市の養鶏場です。

 新型コロナに鳥インフル、そして豚熱…。ウイルス対策を公約の柱として掲げる古田さん。選挙活動よりもまずは公務です。

古田氏:
「(ウイルスは)お正月だろうが時期を待ってくれないわけですから、危機管理というのはそういうものです。コロナとしっかり向き合うのが仕事で、そのためにもう一度挑戦をするわけですから、まずはコロナとしっかり向き合うことが当然私にとっては最優先です」

 過去4回の知事選は、自民党の推薦を受け盤石な体制でしたが、今回は自民党県議団の幹部らが離れ、国会議員や業界団体の支援が頼みの綱。

 厳しい選挙戦が予想されますが、告示後も街頭での選挙活動はせず、県民にウイルス対策に奔走する姿を見せることで支持拡大を狙います。

■江崎氏は『ネットを駆使し知名度アップ』

 大晦日の夜に山県市の自宅で家族と過ごすのは、自民党の県議団幹部らが支援する元官僚の江崎禎英さん(56)。

江崎氏:
「今まではこうしなきゃと追い詰められている感じが常にありましたけど、家族といるとなんか忘れられる、リフレッシュできますね」

 岐阜県で1月6日まで外出の自粛が呼びかけられたことを受け、年末年始の選挙に関する行事はすべてキャンセル。そこで始めたのが…。

江崎氏:
「(カメラに向かって)新年明けましておめでとうございます。外出もままなりませんけれども…」

 インターネットでのメッセージの配信です。また意見交換会をネット上で開催。この日は大学生ら30人が参加しました。

参加者:
「若者の投票率が低いのは、どうしたら上がるだろう?」

江崎氏:
「これは我々大人の責任だと思っています。我々がちゃんと議論する姿を見せる、議論した結果物事が変わるという姿を見せないと、それを見ている子供たちが議論するわけがない」

「かえれば、かわる!」をキャッチフレーズに、県政に新たな風を吹かせたいと訴える江崎さん。新型コロナで選挙活動が制限される中、ネットを駆使し知名度アップを図ります。

■稲垣氏は『草の根で支持拡大図る』

稲垣氏(1月4日):
「社会的な弱者の方々、例えば障がいのある方々、その家族の方々…。誰一人取り残さない、そういう県政をつくっていきたいと思っています」

 4日、マウスシールドをつけて今年初の街頭演説に臨んだのは、共産党推薦で新日本婦人の会・岐阜県本部会長の稲垣豊子さん(69)。岐阜県の知事選では初の女性候補です。

支援者:
「女の知事しかあかん!」

稲垣氏:
「あんまり女を強調すると、岐阜県は『保守』だから男の人が引いちゃうからね。女性を強調してはいけないという。男性の方にも応援してもらわないかんで」

Q.コロナで選挙運動はしづらいですか?

稲垣さん:
「しづらいですね。マスクをしながら話しにくいですし、自分自身が感染したらどうなるのかという怖さを抱えながらやっております。本当は握手もどんどんしたいし、できないのが残念なことです」

 コロナ対策で大規模な集会は控え、支援を受ける市民団体のメンバーらが地道な活動を展開。草の根で支持拡大を図ります。

稲垣氏:
「(支援者に)あちこちで宣伝活動をしてもらおうと思って、頑張っております」

 このほか立候補を表明しているのは、元県職員の新田雄司さん(36)。元日の初詣に同行しました。

Q.今深くお辞儀されたが、何をお願いしました?

新田氏:
「五七五でもよろしいでしょうか。『県政は 雪解けを待つ 睦月かな』。昨年はコロナで不安な年だったと思うんですけれども、雪解けを待って新しい希望溢れる年が迎えられるように、お願いをしました」

 去年3月、県職員を退職し薬剤師として働いている新田さん。事務所には立憲民主党の今井雅人衆院議員からの応援ポスターが。

 薬剤師としてコロナ禍の混乱を目の当たりにし、そこで得た「庶民目線」の経験をコロナ対策で生かすと訴えます。

 7日から始まる選挙戦。投開票は1月24日です。