新型コロナの感染拡大が収まらない中で迎えた今年の成人の日。東海3県の一部の自治体では成人式の延期を決断したところもあり、コロナの猛威は新成人の晴れの舞台にも暗い影を落としました。

 名古屋市では、基本対策を行ったうえで開催されましたが、それでも異例の式典となりました。

 振袖にマスク姿。学区ごとに分かれて式典が開催された名古屋市千種区。

新成人の女性:
「マスクは外せないですけど、開催してもらえたというのはすごくありがたくて、うれしいです」

 新型コロナの感染拡大が続く中で開かれた今年の成人式。参加にあたり、名古屋市が義務付けた体温などの健康状態を記入したシートを提出し、会場へ入りました。

新成人代表:
「激動の一年でしたが、今年も変わらず暖かい春は訪れます。変わっていくものも、変わらないものも両方抱きしめて、なりたい自分に近づく努力をしていきます」

 式では感染対策として時間短縮のため来賓の祝辞を短くしたほか、恩師との歓談も中止となるなど、例年とは違った形に。

 一生に一度の「晴れの日」。しかし、複雑な気持ちで参加した新成人も…。

新成人の男性:
「僕はほとんど東京では外出していなかったので、感染していることはないかなと…」

 緊急事態宣言が出されている東京から、この日のために帰ってきたと言います。

同・男性:
「こういう経験をしている20歳って僕らだけなので、またこういう事が起きた時に、ちゃんと対応できるような大人になりたいですね」

 異例の成人式。それでも新成人たちは、大人への一歩を踏み出しました。

新成人の女性:
「(夢は)看護師ですね。自分も感染のリスクにさらされながらも、患者さんの命を守るために必死に戦っている姿がすごくかっこいいなと思います」

 一方、区全体の式典が開かれた熱田区。

新成人の女性:
「(成人式が)中止になるかなと思っていたので、直前で中止になったときにお金がかかってしまうので、私服で来ました」

 式の開始前には、『タイムカプセル』を見ている新成人たちの姿。小学校時代の写真やテスト用紙が入っていました。本当ならみんなで掘り起こすはずでしたが…。

新成人の男性:
「係になっていて、事前に先生と連絡を取って学校に取りに行って…」

 熱田区でも、小中学校の恩師の出席や式の後の懇親会が取りやめとなったため、式の前に開封し皆に手渡しました。