1月24日投票の岐阜県知事選挙。緊急事態宣言が発令されるなどコロナ禍で迎える今回の知事選、人が集まる場所である選挙の投票所も感染対策に追われています。

 55年ぶりに保守が分裂し注目が集まる岐阜県知事選挙。一方で、新型コロナの感染拡大で緊急事態宣言が発令される中、有権者からは…。

岐阜県民の女性:
「『1票は入れたい。だけど怖い』とか、そういう気持ちはやっぱりあると思いますよ。そうして(投票を)避ける人も今回は多くなるんじゃないかしら」

岐阜県民の男性:
「(投票所は)ヤバそうですよね、やっぱり『密』になるとか。人によってはマスクをされていない方とか、せき込む方とかいるかもしれないですよね」

「密」のイメージがある投票所への不安。そこで気になるデータが…。

 去年4月から5月に「緊急事態宣言」が発令された際、その期間の15の市区長選挙のうち、実に11の選挙で投票率が前回より低下。このうち9つで過去最低を記録していました。有権者の感染に対する不安から、投票所への足が遠のいたとの指摘も…。

(リポート)
「気になる投票所の感染対策、どのようになっているんでしょうか」

 大野町役場に設けられた期日前投票所。中に入ってみると…。

大野町役場の担当者:
「それではまず、検温と手指消毒をお願いします」

 サーモグラフィーによる検温にアルコール消毒、ソーシャルディスタンスを保つ目印に、希望者には手袋まで。様々な感染対策を講じていました。

(リポート)
「投票用紙を記入する通常の記載台とは別に、およそ4m離れたところに体調不良者専用の記載台が設けられています」

 入り口の検温で熱があった場合、動線を分けて専用の記載台を利用して投票する仕組みを導入。新型コロナ対策と投票機会の確保を両立させる取り組みも。さらに…。

担当者:
「(鉛筆が)1万2千本ですね。使い捨てといいますか各個人用に購入させていただいた。今回は使いまわしはできませんので」

 今まで当たり前だった鉛筆の使いまわしも見直しに。有権者およそ2万人の大野町は鉛筆1万2千本を準備し、1人1回限りの使い捨てで町民の不安を取り除きます。

 こうした対策が実を結んでか、期日前投票はこれまでに4年前の前回と比べて倍以上の投票があったといいます。投票日も万全の感染対策を講じて有権者を迎えます。

担当者:
「コロナ禍で、なかなか投票に行くのはどうしようと迷っている方もいらっしゃると思いますが、精いっぱい対策をしているので、ぜひ貴重な一票を投じていただきたいと思います」

 雪が積もるグラウンドに到着した1台のバス…。

(リポート)
「こちら、一見街で見かける普通のバスなんですが、中を覗いてみると…実は投票所なんです」

 御嵩町が導入したのは、バスを利用した「移動式期日前投票所」。人口減少などを理由に、今回12か所あった投票所を5か所に減らす御嵩町。

 投票所が遠くなってしまう山間部の高齢者らが投票しやすいように導入したバスですが、新型コロナ対策としても有効なようで…。

御嵩町選挙管理委員会の担当者:
「当日に密になってしまうという可能性が一番危険になりますので、期日前投票所を増やすことによって、少しでも当日の密を減らせるように」

 利用した有権者は…。

投票した男性:
「下(役場の投票所)まで行くと国道を越えて渡らなならんもんで、やっぱりおばあちゃんたちは大変やと思うんや。ありがたいことやね。期日前のほうが投票所に行って並ぶよりいいね。コロナの心配がないから」

投票した別の男性:
「(投票所に)行くのが抵抗あったりする人も、子供小さいんで僕も。そういうのでやっぱり『行けない』『行きたくない』って人はいると思います」

 今回、岐阜県は過去最多となる202か所の期日前投票所を設けていて、感染対策で積極的な利用を呼びかけています。

 コロナ禍で迎える岐阜県知事選挙。新人と現職の4人が立候補していて、投開票は1月24日です。