新型コロナの感染拡大による医療現場のひっ迫。特に問題となっているのが、重症者などの入院で、名古屋市では現在すぐに入院できない状況が続いています。

 名古屋市の新型コロナウイルス感染症対策室。感染者の入院調整は、保健センターからの報告を取りまとめたり、予防策の企画などをしたりするこの部署で行われています。

 保健センターから入院させるべきと報告された重症者や、重くなるリスクが高い感染者について、病院と連絡を取り、受け入れ先を探します。

 去年4月から入院調整を担当する水貝さん。感染の第3波が拡がった去年11月以降、電話にかかりきりになる日が続いているといいます。

名古屋市新型コロナ対策室の水貝さん:
「(Q.年末年始は?)半分は出勤しましたね。なので大晦日の日はここでドクターと年を越して…」

 水貝さんたちが確認するのは、壁際に設置されたホワイトボード。感染者を受け入れる市内22の病院名と病床数、そして入院患者の情報が書き込まれた付箋が所狭しと貼られています。

 現在は、名古屋市内の病院だけでは病床が足らず、市外の病院との調整を愛知県に依頼することも。そのため、報告を受けた感染者の中からさらに優先順位をつけて病院と調整します。

水貝さん:
「今どの病院も満床の状況ですので、患者さんを症状によって優先度をつけて上から順番に入れていかなくてはいけないという、その作業がすごく苦しいですね。入らないといけない人がすぐに入れない、ご自宅でお待ちいただかなくてはいけないというのがすごく苦しいところです」

 また、優先度が低いと判断しても、容態が急変して救急搬送が必要になることもあるなど、気が休まらない入院調整。病院側もスタッフが人手不足のため病床数を簡単に増やすことはできず、この状況がいつまで続くのか、見通しは立っていません。

水貝さん:
「患者さんの発生を抑えられるということが一番かなというふうに感じています。市民の方1人1人が感染対策十分に気を付けていただいて、是非ご協力いただきたいなと思っております」