お祝いなど特別な日に食べるイメージの「うなぎ」。このうなぎも新型コロナの影響が出ているようです。うなぎ専門店はもちろん、需要の低迷が続けば、その先の生産者にも影響が出てくるかもしれません。

 うなぎの名産地、愛知県西尾市一色町…。

「うなぎの兼光」は問屋から直接仕入れたうなぎを提供しているため、安く楽しめると遠くからもお客さんが訪れます。こちらの店でも新型コロナの影響が…。

うなぎの兼光の加藤マネージャー:
「来客数でいうと、大体2~3割減くらいにはなっています。あまりよくはないですね」

 この影響は生産者にも…。

兼光淡水魚の伴主任:
「こちらがうなぎを育てている弊社の自社養鰻池です」

 こちらの養鰻池ではおよそ50トン、20万匹のうなぎを養殖していて、日々市場などに出荷しています。

伴主任:
「やはり専門店が飲食店ということで時短営業になっていますので、うなぎの需要の方も減っています」

 まもなく池上げされるうなぎ。去年の3月からおよそ10カ月かけて育てられました。

伴主任:
「出荷の量が減るということですので、仕入れの調整をしないといけないこともあるかもしれません」

 この先も需要の低迷が続けば、稚魚の仕入れを減らす可能性も…。というのも、うなぎのピークは夏場。こちらの問屋に出荷されるうなぎは冬場は1日5トンほどですが、7月から8月ごろにはおよそ20トンにのぼります。ピーク時にもこの低迷が続くと、影響は計り知れません。

伴主任:
「夏に向けての繁忙期、そこでやはり消費が落ち込むというのが一番怖いかなと今思ってます」

 そんな生産者のためにも…うなぎ店は知恵を絞ります。

加藤マネージャー:
「今後テイクアウトですとか、デリバリーを強化していきたいな」

 元々遠方からのお客さんが中心で、意外にも地元のお客さんが少なかったそう。現在、持ち帰りできるメニューでもっとも安いものが「うなぎ弁当並」(1890円)。

 そこで地元の人がうなぎをより気軽に楽しめるような安くておいしいメニューを開発しています。うなぎの名店も新たなサービスに挑戦しているのです。

加藤マネージャー:
「お客さんがよりに日常的に注文していただけるよう、今あるものよりもさらにお値打ちなものをこれから販売していきたいなと。いち早く終息してもらって、今まで通り活気に満ち溢れるといいかなと思いますね」