55年ぶりの保守分裂でコロナ禍の中…異例づくめの岐阜県知事選挙 各陣営が進める「試行錯誤の選挙戦」
24日投開票の岐阜県知事選挙。55年ぶりの保守分裂に加え、新型コロナの感染拡大で告示後に緊急事態宣言が発令されるなど、異例のコロナ禍での選挙戦に各陣営は試行錯誤しています。
岐阜市の柳ケ瀬商店街で支持を訴えるのは、元官僚の江崎禎英さん(56)。自民党岐阜県連の県議団幹部らが支援しています。
支援者らとは握手ではなくグータッチ。新しいスタイルの選挙戦を展開しています。江崎さんの前には何台もの車が…。アメリカ大統領選でも行われたドライブイン演説会です。
<選挙スタッフ>
「皆様のお車のライトやハザードランプを活用して、大いにリアクションを取っていただきたいと思います!」
拍手や歓声の代わりにハザードランプを点灯。さらに夜は外での活動は控え、インターネット上で意見交換会を連日開催しています。
江崎さん:
「できることは何でもやるという形でがむしゃらに走ってきましたけど、できるだけ政策・思いをちゃんとお伝えしていきたいなと思っています」
一方…。
稲垣さん:
「古田さん、江崎さん、お二人の分裂選挙と言われています。こういうインチキ選挙、こんないいかげんな選挙、そのために県民の多くの思いを踏みにじる。それはやっぱりいけないでしょ」
保守分裂を県民不在と批判するのは、共産党推薦で初の女性候補・稲垣豊子さん(69)。新人候補として一人でも多くの有権者に会い、知名度アップを目指したいところですが…。
稲垣さん:
「寸前になって地元の方々が感染が心配ということで屋内では(演説会を)取りやめということで、外での街宣に切り替わったことが2~3回ありますね」
緊急事態宣言の発令後、演説会のキャンセルが相次ぐ事態に…。参加者の検温や会場の換気など感染対策を徹底し支持を訴えます。
新田さんの母親:
「薬剤師の新田、県職員歴11年の新田にコロナ対策をお任せください」
ウグイス嬢を務めるのは母親です。無所属・新人で元県職員の新田雄司さん(36)。組織に頼らず名前を浸透させたい新田さんにとって、コロナ禍の選挙戦はまさに逆風ですが、日中の街宣活動で支持拡大を図ります。
新田さん:
「分裂とかいろいろ言われてますけれども、私自身はしがらみも亀裂もない候補として、安定した県政を取り戻せると思いますので、そういったことを県民の皆さまに訴えていきたいたいと思います」
自民党の多くの国会議員らが支援する古田肇さん(73)。
古田さん:
「今回一度もタスキを掛けてないんです。肩がスカスカして、何か足りないんじゃないかと…」
現職として新型コロナ対策に専念するため、選挙活動を自粛。異例の対応をとっています。そんな中、力強い援軍も…。
古田氏の妻・千鶴子夫人:
「パフォーマンスとか得意な人ではなくて、ぼそぼそ喋っていて分かりにくいかと思いますけれども、仕事は一生懸命やっております」
夫人の千鶴子さん。本人に代わり、支持を呼びかけます。さらに…。
古屋衆院議員:
「もう仕事は全部先送りにして、今こうやって回っています。なぜか、この選挙そのくらい大切な選挙なんです」
古屋衆院議員、力の入れようは自身の選挙以上です。
<古田さんからの電話での呼びかけ>
「こんにちは!感染を抑え込むために今いろいろと頑張っております」
古田さんが公務の合間を縫い、電話で支持を呼びかける場面も…。
55年ぶりの保守分裂、さらに緊急事態宣言下という異例づくめの中で行われる岐阜県知事選挙。投開票は24日です。