前日まで「お元気だった」…入院待ちの新型コロナ感染者が自宅で療養中に死亡 背景にひっ迫する医療体制
新型コロナに感染し自宅で療養中に死亡するケースが、愛知県で初めて確認されました。亡くなる前日まで「無症状」だった名古屋市内の高齢者が自宅で死亡。自宅療養となった背景には、ひっ迫する名古屋の医療体制がありました。
名古屋市健康福祉局の担当者:
「お1人がご自宅でお亡くなりになられています」
24日夜、名古屋市が開いた会見。新型コロナウイルスに感染し、自宅療養をしていた高齢者が死亡したと発表しました。
名古屋市健康福祉局の担当者:
「陽性判明の時は無症状。亡くなる前日はお元気だったと確認が取れております」
市によりますと、この高齢者は亡くなる5日ほど前に感染が判明。保健所が毎日電話で健康観察をしていましたが、亡くなる前日までは無症状だったといいます。
このため名古屋市は、入院の優先度は「低い」と判断、入院待ちの患者の一人として対応していました。
愛知県内で初めて確認された自宅療養中の死亡。入院できなかった背景にはひっ迫する医療体制がありました。
名古屋市健康福祉局の担当者:
「打つ手はなかなかないと思うんですけど、病床確保で入れる方を多くするところが一番の解決ではないかと思っている」
名古屋市が確保している新型コロナウイルス用の病床は、24日時点で215ありましたが、すでに満床。医療体制がひっ迫し、自宅などで療養している患者は1000人以上にのぼっています。
25日の会見で、名古屋市の河村市長は…。
河村名古屋市長:
「残念なことで申し訳なかったなと思っております。名古屋市からも民間(病院)も含めて、ちょっとでも協力してもらえんかという連絡はさせていただいている。さらに丁寧に対応させて頂くようにやりたいと思います」
一方、愛知県の大村知事は…。
大村愛知県知事:
「こういうことは二度とあってはならないことでありますから、引き続き適切な入院治療が受けられるように、病床をしっかりと確保していきたい」
この上で、先週立ち上げた「医療体制緊急確保チーム」を活用し、入院調整を進めたいとしています。