新型コロナの感染者を減らすため、呼びかけられている外出自粛。新鮮な魚介など様々な食品が集まる名古屋の台所からは、活気が失われ悲鳴の声があがっています。

 今が旬の牡蠣に、高級食材の毛ガニ…。鮮魚店などおよそ50店舗がひしめき合う名古屋の台所「柳橋中央市場マルナカ食品センター」です。

 ここで商売を始めて65年のマグロ専門店「うお圭」。去年4月、1回目の緊急事態宣言が出されて以来、客足は遠のき戻らないままだと言います。

うお圭の高阪さん:
「普通ですと(遠くの出入り口が)全然見えないような状態ですし、いつもですと駐車場が満車になって、業者の方の車が入れないような状態なんですけれども、今はどこの階でも入れる」

 この店では客が減った分、去年4月に半分にした仕入れの量を、飲食店の時短営業が始まった1月からはさらに減らし、3分の1にしました。

高阪さん:
「毎日来ていただくお客様が、2日に1回、3日に1回になりますし、いつまでか分からない状態でこの不安があるというのは本当に悲しいと思います」

 マグロの解体が行われている店は、景気がよさそうにも見えますが…。

大伸の犬飼さん:
「毎日毎日交代で3人ぐらいずつ休ませている。それでも全然やれちゃうし、こうやってインタビューに応えられるくらい仕事がない」

 1年で一番活気づく年末の買い物客も、期待外れに終わったといいます。

犬飼さん:
「この間の12月がダメ、前の年と比べたら売上が4割近く減っている。うちが直接品物を納めとるホテルもあるけど、売上全然ないし、ほぼゼロだね」

 この日はお客は見込めず、早々に店じまいすることにしました。

犬飼さん:
「いつも9時半くらいに品物を片付けてたりしとったんだけど1時間くらい(早めた)。誰も来んしね」

 周りを見渡すと他のお店も…。

犬飼さん:
「このままじゃ、とてもじゃないけど耐えられん。ちょっと感染者が減ったからって売上が急に元に戻るわけじゃないし。やめてもらう、やめてもらわん以前に会社自体が続いていかなくなっちゃう」