コロナ禍の中での災害に備え…避難所用テント「ワンタッチパーティション」導入進む 消毒し何度でも使用可
2月13日、福島県沖を震源として発生した最大震度6強の地震。避難所はわずか1時間で開設され、そこには今までと違う光景がありました。
一面テントが並んでいますが、新型コロナ対策で生まれた新しい避難所です。名古屋でも避難所用テントの導入が進められています。
(リポート)
「こちらが福島の避難所で見たものですね」
名古屋市地域防災室の担当者:
「こちらがワンタッチパーティションになります。コロナから守るために入れているものになります」
避難者用の四角いテント「ワンタッチパーティション」。大きさは縦横2メートル四方で、大人2人用です。名古屋市はコロナ対策として去年12月に導入。大規模災害が起きると、市と区の備蓄倉庫からすぐに避難所へ配送されます。
(リポート)
「四方は目隠しがされていますが、上はメッシュなので圧迫感がそれほどないですね」
担当者:
「そうですね。換気もできるし、横からの飛沫感染もある程度防いでいる」
入り口はファスナーで開け閉めが可能。中は360度囲まれているため、家族以外の人と接触する機会を軽減し、プライベートの空間も確保することができます。
また上部はメッシュ加工になっていて、避難者の状況などを確認できるようになっています。さらに生地の部分にも、あるコロナ対策が…。
担当者:
「これまでも段ボールのパーティションがあったとは思うんですが、それだとアルコール消毒液に弱かったり」
表面がポリエステルのため、アルコール消毒した後、何度でも使用できます。先日起きた福島の地震で、相馬市の避難所ではおよそ90人全員にこのテントが割り当てられました。名古屋でも災害時に支給されるのでしょうか?
担当者:
「名古屋市でも(テントの)備蓄は進めていますが、数に限りがございますので、まずは要配慮者に優先して使っていただき、その後すみやかに避難者全員に行き渡るようにする」
名古屋市で保管している数には限りがあるため、中に1人分の段ボールベッドを設置して、高齢者や妊婦などに優先的に使用するといいます。
ちなみに作り方は、フレームを引っ張って広げるだけ。付属のシートを敷けば、あっという間に完成です。
担当者:
「初めての方同士でも、1分くらいで組み立てもできるし、子供でも組み立てしやすい商品かなと思っています」
名古屋市では3月までに2000個を準備するということで、足りない場合は民間業者から全員分を手配するとしています。
この避難所用のテントについて、防災の専門家でレスキューストックヤードの浦野愛さんに聞いたところ、「コロナ対策とプライバシー保護に効果的」だという一方で、「中でひきこもる人が出るなど、生活の様子を一目で確認できないこと」が課題とのこと。
そのため「日中は入り口を開けっ放しにするなど、一定のルールを設けている」ということです。