愛知県の大村知事のリコール運動で、アルバイトを使って署名が偽造されていたとみられる問題で、署名の収集期間を過ぎてからも、偽造の作業が続けられていた可能性があることがわかりました。

 高須クリニックの高須克弥院長が主導し、河村名古屋市長も支援した大村知事のリコール運動。しかし、愛知県の選挙管理委員会の調査で、提出された43万5000余りの署名のうち83%が「無効」と判断されていました。

 その背景には「アルバイトによる署名偽造疑惑」が…。

リコール署名「書き写し」のアルバイトの男性:
「名簿の束がドサドサッと置いてあって、転記する用の名簿もあって、そこに名簿を見ながら書き写すようにと、そういう指示がありました」

 取材にこう証言した福岡県久留米市に住む男性は、佐賀県でリコールの署名簿に愛知県民の名前や住所を書き写すアルバイトをしたといいます。また、証言からは更なる疑惑が…。

アルバイトの男性:
「10月26日、僕が行ったのはその日なんですけど、募集は1週間くらい前から出ていて、2週間3週間くらいやっていたと思いますよ」

 リコール署名を集める期限は、市長選などで一時中断となった岡崎市など5つの市町を除き、64の市区町村では去年の10月25日でした。しかし、男性がアルバイトをしたのは期限翌日の「10月26日」。期間を過ぎてもアルバイトに偽造させ、選管への提出期限までに署名を水増ししようとした可能性も出てきました。

 さらに関係者への取材では、この署名偽造のアルバイトはリコール運動の事務局が発注したという話も…。

署名を集めをした「リコールの会」田中孝博事務局長:
「私ども事務局が(署名を書かせるために)アルバイトを雇用したり、人材派遣会社等と契約したりという事実は一切ございません」

 事務局は発注を否定したうえで、九州で作られた署名には多数の不備が確認されたため、提出していなかったと主張しています。署名の偽造の真相は…。

 19日に開会した愛知県議会では、「不正署名は民主主義に対する重大な挑戦で看過できない」として、「徹底した事実解明を強く求める決議」が提出され、午後に全会一致で可決。

 真相解明に向け、県の選管から告発を受理した愛知県警も捜査を進めています。