4月から始まる新型コロナのワクチン接種で、愛知県のバス会社が需要が減っている「貸し切りバス」の車内を接種会場に使えるよう作り変え、自治体に提案しています。

 愛知県蟹江町の「名古屋ひだまり交通」。創業5年目の若いバス会社ですが…。

(リポート)
「車いすが最大6台も乗るというリフト付きの大型バスは、愛知県内でも数台しかない珍しいものだそうです」

 他社に先駆け、バリアフリー化に着手。創業半年で導入したリフト付きの大型バスは、観光ツアーだけでなく、養護学校の課外活動や高齢者施設の旅行などにも利用されてきました。

名古屋ひだまり交通のガイド:
「(利用者には)楽だねとか、便利だねと言っていただきます。(バスの中は)すごくにぎやかで、皆さんの笑顔に触れることができてすごく楽しい」

 しかし新型コロナの影響を受け、去年はほとんどの団体がイベントを中止に。埋まっていた平日の予約が全てキャンセルされるなど、貸し切りバスの利用も激減しました。

 そんな中、飛び込んできたのが、4月からのコロナのワクチン接種が始まるというニュース。

名古屋ひだまり交通の武田社長:
「キャンピングカーで接種とか、海外では路線バスでの接種とかが映像で流れてまして、その時にこのような貸し切りバスも利用できないかなと」

 リフトバスを接種会場として活用するアイデアを思いついたといいます。

 実はこのバスには「アレンジしやすい」というメリットがあります。車椅子の利用などを想定し、イスが簡単に取り外しできる作りになっているため、わずか15分でフラットな状態に。診療と待合のスペースが確保できます。

 さらに、外気を取り入れるシステムが搭載されていて、窓をあけなくても5分ほどで空気の入れ替えが完了。これも安心して会場に使ってもらえる材料だと考えています。

名古屋ひだまり交通の武田社長:
「少しでも役に立てればいいかなと思っております。ワクチンの接種で、安心して旅行に行けるような、皆さんがそういう感じになればいいなと思っております」

 この「ワクチン接種バス」は、自治体への提案をはじめたばかりで、まだ問い合わせは入っていませんが、会社では今後貸し切りバスの需要が回復しても、運行の日程を調整し積極的に接種に協力したいとしています。