愛知県の医療の現場はどうなっているのか、最前線を担う医師に話を聞きました。

藤田医科大学病院の岩田副院長:
「夜中に救急隊の方が困って、10件以上断られて連絡してくることもありますし、災害医療と一緒の状況です」

 愛知県の藤田医科大学病院・岩田充永副院長は、現在の病院の状況を「災害医療」と例えました。

岩田副院長:
「人工呼吸器やECMO等で治療しなければいけない方のためのベッドを14床準備しているうち、15人が入院している」

 藤田医科大学病院では、現在用意している重症患者用のベッド数14床を上回る、15人の患者が入院しています。

岩田副院長:
「酸素ボンベが2本しかないのに、5人酸素投与が必要な人が来たらどうするか。本来だったら2人分の医療資源で、5人の方に医療を提供しなければいけないとか。医療崩壊という表現もあるんでしょうけど、災害時の医療というのはこういうものですから。蛇口をひねって水が出ない時間がないように、必要とされる人には医療を提供したい」

 これまでにないほどに、厳しい状況だという医療現場。緊急事態宣言が12日から適用されますが、効果は未知数だといいます。

岩田副院長:
「まん延防止等重点措置で人出が去年より減ったという情報はないですし、緊急事態宣言でどれくらい人流が減るのかが分からない。この状況はしばらく、数週間は短くても続くのではと覚悟しています。1人1人に響くか、行動の変化につながるかがカギだと思います」

 愛知県の病床使用率は5月7日以降、60%を超えています。国の指標では5月3日以降、「ステージ4」の状況が続いています。

 県内では、新型コロナウイルス患者用として74病院で1215病床が確保されていますが、大村知事は「さらに上積みするように各医療機関にお願いしていて、近いうちに数百床上乗せするので何とか持ちこたえられるのではないかと思っています。ただ上昇カーブがきついので、厳しい状況であることは間違いない」と話しています。