三重県志摩市で、高齢者への新型コロナのワクチン接種が始まる前に、市の職員の4割余りが先に接種を済ませていたことがわかりました。

 各地で本格化する高齢者へのワクチン接種が20日から始まる志摩市では16日までに、職員全体の660人のうち4割余りにあたる、およそ280人に2回の接種を済ませたといいます。

 高齢者よりも先に職員に接種をした理由については市は…。

志摩市の担当者:
「厚生労働省から示されている特設会場は医療機関であり、予防接種会場に従事する者は医療従事者等に含まれ、接種対象となっていることからです」

 志摩市では、市内5つの会場で高齢者に集団接種を実施する予定。厚生労働省は、会場で接種業務に従事し感染者と頻繁に接すると自治体が判断した者を、「医療従事者など」として優先接種できるとしています。

 志摩市は「会場で従事する市の職員や、訪れる高齢者に無症状の感染者がいる可能性があり、双方に感染拡大が予想される」と判断し、接種したといいます。

志摩市の担当者:
「(職員が従事するのは)受付、予診票確認、接種済み証の発行、経過観察などになります。集団接種会場にお越しになられる高齢者の方が、安全で安心して接種していただけるようにと判断させていただきました」

 志摩市の高齢者はおよそ1万6000人。木曜日と土日が接種日となりますが、接種したおよそ280人の職員は、通常の業務と並行して行うために必要な人数だったといいます。

 市の判断に、市民は…。

市民の女性:
「先に打っても、それはもう仕方ないよな」

別の女性:
「一番いろんな人と関わる可能性も高いので、ワクチン接種を受けるのはいいんじゃないかなと思うんですけど」