新型コロナのワクチン接種をかかりつけ医で行う「個別接種」も、各地で本格化しています。しかしその現場では、通常の診療業務に接種が追加されることになり、対応に追われています。

 愛知県知多市のいぜき内科クリニック。個別接種の会場の一つで、患者のほとんどが周辺の住民の、いわゆる“かかりつけ医”です。

 31日から接種が始まりましたが、予約を受け付けたのは午後0時半から午後1時半までの1時間。これにはある理由が…。

竹内院長:
「今日から初めてのワクチン接種なので、どんな事が起こるか分からないものですから、なるべくワクチン接種に専念したいということで、外来とは別の時間帯に」

 通常の診療は減らせないこともあり、接種は昼休みを返上して実施しました。すると、何と接種が一時中断。その原因は「待機場所」でした。

院長:
「問診と接種は早くできるんですけど、待機の場所がやはり…」

 ワクチンの接種後は15分から30分の経過観察が必要。しかし規模の小さな「町のクリニック」では、どうしてもスペースが限られます。そこで急きょ廊下にいすを並べ待機場所にして対応。予約していた24人に予定通り接種を終えることができました。

院長:
「これで終わりですね。本当に慌ただしく。外来が終わって詰めて打ってという感じだから、慣れてくればもう少しスムーズに」

接種した男性:
「やはり心配はしましたけど、打ってみると全く痛みはなかったです。先生が顔見知りですので、体の事はよく承知して頂いておりますので、安心感はあります」

接種した女性:
「1番近い距離ですし、とても良いことだと思います。楽で」

 午後2時過ぎ、ようやく昼食。急いで食べて、夕方からの通常診療に備えますが、現場への影響はこれだけではありません。

 高齢者への接種を7月中に完了させるという国の方針を受け、知多市も計画を前倒しに。市の要請を受け、休日返上で接種していくといいます。

院長:
「前倒しにやらないといけないから、医師を含め周りのスタッフの方というのが、休日出勤が多かったりするので、感染防止につながって、かからないようにして頂きたいという思いだけ。なんとしても頑張って打っていきたい」