愛知県でも緊急事態宣言の延長期間が始まった6月1日の夜、名古屋の飲食店街を歩いてみると、驚きの光景が広がっていました。

 緊急事態宣言が延長されて迎えた初めての夜。午後8時すぎ、多くの飲食店が軒を連ねる名古屋市の今池地区では…。

(リポート)
「あちらのお店は、午後8時を過ぎてもまだやっています。お客さんもとても多くいます。今、『営業中』という文字もまだ見えます」

 愛知県では6月20日まで宣言延長にともない、引き続き県内すべての飲食店に午後8時までの時短要請と、酒類の提供を停止するよう求められています。

 しかし今池地区では、少なくとも13の飲食店が午後8時以降も店を明けていることを確認。そのうちの大半がお酒の提供をしていました。

 要請に応じず店を開ける理由とは…。今池地区で午前0時まで営業しお酒も出している店の店長が、撮影しないことを条件に胸の内を明かしてくれました。

<飲食店店長>
「昼間でももっと人がいっぱいいるところもあるのに、私たちだけここまで責められるのはつらい。家賃や5人の従業員の給料の支払いもあるし、全て生活のため。稼ぎたくて店を開けているわけではない」

 この店長の店は、これまで県から出された要請には全て応じてきたと言います。しかし、3回目の緊急事態宣言が出され、お酒の提供が禁止された5月12日からは、夜でもお店を開けることに。背景にあるのが、度重なる要請の延長です。

 去年11月に名古屋の錦三丁目などに出された県独自の時短要請をはじめ、まん延防止措置、緊急事態宣言…。今回の延長を含めると、今池地区でも6か月間にわたり営業が制限されることになります。

<飲食店店長>
「罪悪感はある。私たちも早くコロナが終わるのを願っている。でも開けないと…」

 愛知県は、要請に従わない店舗に対し対応を強化。複数の店に対し改めて要請をしていて、それでも応じない場合は「命令」を出し、命令に従わない店舗には過料を科す方針としています。