「人から人に優しさを感染させたい」コロナで苦しいのはお互い様と、生活に困っている学生のために名古屋市中区の飲食店が定職の無料提供を始めています。

 気持ちのいい食べっぷり…。名古屋市中区の「和なり」。5月13日から学生限定で、定食を無料で提供し始めました。きっかけは、お店を手伝ってくれるアルバイトの学生が漏らした「お金がなくてまかないでしかご飯を食べてない」という一言でした。

和なりの担当者:
「コロナで今、大人の方とか険悪なムードになってしまっているので、少しでも一つでもプラスに考えられることを望んでやっていけたらいいなという思いです」

 無料と言っても妥協はしません。この日のメニューは、大きな唐揚げが4つもついた定食。それにアジフライが3枚のボリューム満点の定食など5種類です。ご飯と味噌汁は好きなだけおかわりできます。

学生:
「今バイトもできない状況だから、こうやって提供してくれることに感謝して来ました」

別の学生:
「親が多めに仕送りしてくれてて、それで生活しててもやっぱりギリギリだし。おいしかったです」

和なりの担当者:
「(学生に向けて)よかった。あしたも来ていいから。あさっても来ていいし、しあさっても。いつでも食べに来ていいからね」

 長引く新型コロナの影響で、店の売り上げは以前と比べ8割も減りました。しかし、営業はランチ時間に限定、午後4時から7時までは学生のための時間です。それでも続けていると、嬉しいことがあります。

和なりの担当者:
「通りすがる大人の方にポスターを見たという言葉を頂いて『本当に感動した』と、募金だけしてくれる大人の方もいるので」

 寄せられたお金は全部学生のために。この日は募金のお金で仕入れた分厚い牛肉を、特別ステーキメニューとして出しました。

和なりの担当者:
「大人の方などが募金をしてくれて、人の優しさを知ることが出来て。コロナですごい沢山の方が感染していますけど、人から人に優しさを感染させたい」

 原動力は心意気です。