秋までに行われる総選挙に向けて大きな動きです。三重県の鈴木英敬知事が衆議院三重4区で、自民党からの出馬に向け調整を進めていることがわかりました。

 午前10時から急遽、記者の取材に応じた三重県の鈴木英敬知事。

鈴木知事:
「自民党の関係の方々と非公式な意見交換を行ったことはありますけど。それを調整というのか打診というのか分かりませんけど、非公式に意見交換を行ったことはある」

 鈴木知事は衆院選三重4区での出馬について、自民党関係者と非公式での意見交換をしたことを明らかにしました。

 三重4区をめぐっては、今年5月に自民党・現職の三ツ矢憲生議員(70)が今期限りで引退する意向を表明。秋までに総選挙が迫る中、自民党の候補者が不在になりました。

 このためかねてから国政への転身が噂されていた、鈴木知事の動向に次第に注目が集まっていました。

 6月16日の三重県議会の一般質問でも、知事の「政治姿勢」について県議から問われる場面がありました。

新政みえの三谷県議:
「こんな時に、知事職を捨てて国政へ出るということはあり得ないと思いますが」

鈴木三重県知事:
「今後、どのような政治家人生を歩むにしても、有権者の方々の声にしっかりと耳を傾け、精進していくことが重要だと考えています」

「有権者の声に耳を傾け精進する」と答えた鈴木知事。新型コロナの対策など、県政に全力で取り組むとしながらも、国政への進出は否定しませんでした。

 自民党関係者によると、すでに鈴木知事が出馬した後の後継の知事候補についても、調整が進められているということです。

鈴木三重県知事:
「今後新たな動きなどがあれば、県民の皆様の声に耳を傾けて、熟慮を重ねていくということになります」

 2日の記者会見でも、出馬について「現時点で何も決まっていない」としながらも、国政への進出についての考えを記者から問われると…。

鈴木三重県知事:
「自分が見てきた現場とか、あるいは自分がご恩を受けた地域、あるいは関連の生業とかですね。そういう自分が経験してきたことを通して、日本の政治がよくなればと」

 三重4区には、新人で立憲民主党の坊農秀治さん(49)と、共産党の中川民英さん(53)が立候補を表明しています。