「あいちトリエンナーレ2019」で抗議などが相次いだ企画展「表現の不自由展・その後」が、6日から名古屋市でその作品を集めた展示会が始まりました。
会場近くでは激しい抗議活動が行われるなど、物々しい雰囲気に包まれました。
6日から名古屋市中区の市民ギャラリー栄で始まった「私たちの表現の不自由展・その後」。2019年の「あいちトリエンナーレ2019」で抗議や脅迫が相次ぎ、一時中止となった企画展「表現の不自由展・その後」の作品の一部を集めた展示会です。
会場には抗議の的となった、慰安婦問題を象徴した「平和の少女像」などが再び展示され、来場者の注目を集めていました。
展示を見た人：
「どういう作品なんだろうと興味があったので。全体を見て自分の肌で感じて、自分がその後どう思うかは個人の自由だと思うので」
2年ぶりとなる「表現の不自由展」の作品展示。企画した市民団体は…。
「表現の不自由展・その後」をつなげる愛知の会の久野共同代表：
「実際に皆さんがご覧になって、普通の彫刻じゃないかと思うんですが、その中で1人1人が色々感じたり思ったり、戦争しちゃいけないんだなと分かっていただければ、それで十分だと思うんです」
展示内容を巡り、大きな議論を巻き起こした「表現の不自由展・その後」…。
河村名古屋市長（2019年）：
「表現の自由という名前で、国民世論を暴力的にハイジャックするのはやめてくれ」
大村愛知県知事（2019年）：
「気に食わない展示芸術祭、イベントがあれば、こうした攻撃をすれば止められる、つぶせるという圧力に屈したという悪例になってしまう」
展示内容には抗議が相次ぎ、一連のリコール問題にも発展、大きな混乱を生みました。
6日も会場の外では、賛成派と反対派の双方の市民が激しく言い争い、緊張に包まれる場面もありました。
展示会は7月11日までですが、9日からはロビーを挟んで向かい合う会場で、展示内容に反対する政治団体関係者らによる美術展「あいちトリカエナハーレ2021」も開催される予定。期間中はしばらく混乱が続きそうです。