14日の大雨で、岐阜県瑞浪市で土砂災害の恐れがあるとして、全域のおよそ3万7000人に対し避難指示が出ました。

 しかし、避難所に行った人はわずか21人、一体なぜなのでしょうか。

(リポート)
「午後7時半すぎの名古屋栄です。足首より少し上まで雨で冠水しています」

 14日、東海3県を襲った「ゲリラ雷雨」。名古屋市の中心部でも道路は冠水し、港区のサッカー場で行われていたグランパス戦も試合途中で中止に…。

 岐阜県美濃加茂市では、1時間に82.5ミリと猛烈な雨を観測…。この大雨での影響で、瑞浪市は全域の3万6695人に土砂崩れの恐れがあるとして、警戒レベル4の「避難指示」を一時出していましたが…。

瑞浪市民:
「避難指示が出たころには小雨になっていたので、(避難)してないです」

別の市民:
「ここ(家)の方が安心なような気がして」

 14日の雨で、中央道ののり面が崩れた瑞浪市釜戸町。この地区では2か所の避難所が開設されたものの、避難した住民は「ゼロ」でした。

 4年前の大雨で土砂崩れが発生し、ケガ人も出る被害があったこの地区。記憶に新しい静岡県熱海市の土石流災害もあり、住民の防災意識は高まっているように思えますが、なぜ避難しなかったのでしょうか。

瑞浪市民:
「家族がいるし、あまり(避難しようと)思わなかった。(危機感は)なかったね…」

別の市民:
「川が溢れてきたら避難しようかなと思ったけど、まだ大丈夫かなと」

「川の水位がまだ低いから」「家族が一緒だから」と、避難行動に至らなかったという人も。さらに…。

同・市民:
「(避難所に)行くのが危ないんです。道幅が狭いから(車同士)すれ違えないのよ」

 避難所のひとつ釜戸コミュニティーセンターに行くには道幅が狭く、土岐川を渡る必要もあるため、自宅の高いところに逃げる「垂直避難」を選択した人も…。

 川の近くに住む女性は…。

川の近くに住む女性:
「息子が来て『もう逃げないかん』と言って、息子の家の2階にいました。怖かったので避難した」

 14日、瑞浪市全域およそ3万7000人に出された避難指示に対し、どれくらいの人が避難していたのでしょうか。

瑞浪市まちづくり推進部の担当者:
「延べ人数でいきますと21名、12世帯の方が避難所に行かれました。避難所に行くことが避難のすべてとは思っておりませんので、例えば各家庭で2階に避難したとか、皆さんが避難行動したと考えています」

 市は早めの避難行動と災害に備えた備蓄の準備を、日ごろから進めてほしいと呼びかけています。