三重県知事選挙が26日告示され、新人3人が立候補しました。新型コロナの感染が拡がり、緊急事態宣言下での選挙戦となりますが、候補者たちの戦いを追いました。

 選挙戦初日の26日朝。亀山市出身で元国土交通省の官僚・一見勝之さん(58)は、津駅前から戦いをスタートしました。

 与野党4党から推薦を受けている一見さん。出陣式には自民党や立憲民主党の国会議員の姿もありました。

一見勝之氏:
「今コロナの時代で苦しい時期ではありますが、これを乗り越えた時に、三重県のためにしっかりと産業振興もやっていきたい」

 有権者が一見さんを盛り立てるように取り囲みますが、周りの人との間隔はキープ。感染対策に気を配る一方で、有権者へのアピールにはやや淡白なようにもみえましたが…。

一見勝之氏:
「集まっていただいた方がコロナに感染するリスクを冒さないようにやっていきたいと思っています。そのリスクと自分の選挙とを考えたら、選挙は二の次になりますね。それでしょうがないと思っています」

 一方、共産党が推薦する元県議の岡野恵美さん(69)は、津市内の広場から第一歩を踏み出しました。

岡野恵美氏:
「県民の皆さんの不安を解消するためにも、誰でも、どこでも、気軽にPCR検査が受けられるようにしてまいります。県の予算の使い道を、命・暮らしを守る方向に変えようではありませんか」

 岡野さんも、応援弁士と間隔を開けて立つなど、感染対策には気を配っている様子で、支援者とも握手はせずに肘タッチです。

 選挙期間中は街頭演説を中心に、SNSを使って情報発信をしたいと話します。

岡野恵美氏:
「(Q.緊急事態宣言下での選挙でどのようにアピールしますか?)(会って)声をお聞きすることはできませんから、SNSなんかも使えたらなと思っているんですけれども。皆さんの意見をしっかりと聞きながら、もう少し発信力を高めたいなと」

 また、建設会社社長・石川剛さん(47)は、街頭演説はせず「SNSなどで訴える活動をしていきたい」としています。

 現職・鈴木知事の辞職表明が8月5日から実施が決まった急な選挙とあって、十分な事前準備もできないまま舌戦に入った新人候補者たち。どうしても知名度不足は否めません。

有権者:
「(候補者の)知名度はありません。はっきり言いまして」

別の有権者:
「一見さんという方やんか?それともう2人ぐらい出てるけど知らん。あとは」

また別の有権者:
「(急な選挙は)この機会だから仕方がないのかなと。コロナを何とか抑えてほしいですよね」

 27日から投開票日までは緊急事態宣言期間。新人候補者たちは、費やせる時間も講じられる手立ても限られた中で、有権者の支持獲得を目指します。

 三重県知事選挙の投開票日は9月12日です。