コロナ禍でも病気療養中の生徒に学びの機会を。高校生の訴えです。

 愛知県稲沢市の今津樹音さん(18)。県立一宮高校の3年生、オンラインで物理の授業を受けています。

 今津さんは中学2年生の時に小児がんを発症。治療しながら高校進学を果たしましたが、去年、発熱や関節痛を伴う『成人スチル病』という難病を発症しました。免疫抑制剤を服用している影響で、コロナ禍の中で学校に通うことは困難です。

 今津さんは病院と学校のサポートもあり、出席扱いでオンライン授業を受けていますが、今コロナ禍で学校教育が受けられない病気療養中の生徒が多いといいます。

 愛知県の県立高校では、2015年から入院中の生徒に対して訪問教育が実施されていました。

 しかし、それだけでは単位が足りず、さらにコロナ禍で先生が病院へ訪問できなくなっています。

 このため、「オンライン授業が必要」として8月11日、愛知県内の小児科医らが大村知事を訪ね、オンライン授業のための機器を導入するよう要望を出しました。

名古屋大学大学院の教授:
「長期療養している高校生は、今まで義務教育でないので留年をすることが多かったんですね。ところが今回ご紹介する機器を使って、留年を免れた喜びの声をたくさん聞くようになりました」

 その機器というがタブレットスタンド「kubi」。授業を受ける生徒が自ら遠隔操作で見たい部分にカメラを向けて質問するなど、「双方向」のやりとりができます。

 タブレット越しの今津さん。kubiを使って大村知事に訴えました。

今津さん:
「入院して闘病していても、本人が望むのであれば、進級や進学などの不安を感じることなく学校の授業が受けられるシステムを整備していただければと思います」

 病気療養中でも学校教育を受け進学を…。今津さんは、闘病生活を支えてくれた人たちに憧れ、将来医療関係の仕事に就きたいと大学進学を目指しています。