病気のため、たんの吸引が必要な愛知県内の男子中学生と両親が、公立中学校に「吸引器」の配備などを求めた裁判は、二審も「訴え」を棄却しました。

 原告側によりますと、愛知県内の男子中学生は、喉の疾患で1日に数回、たんの吸引が必要ですが、以前通っていた公立小学校では、両親が吸引器を購入して毎日学校に持ってくるよう求められました。

 男子中学生と両親は、この対応を差別だとして、現在通う公立中学校への吸引器の配備などを求めて自治体を提訴しましたが、一審の名古屋地裁は「差別的扱いにはあたらない」として訴えを棄却していました。

 3日の控訴審判決で、名古屋高裁は「特定の児童のみが使う物品の取得に、公費を支出することは原則として相当でない」などとして、一審判決を支持し、訴えを棄却しました。

男子中学生の父親:
「非常に残念といいますか、悲しい複雑な思いでいます。子どもたちは先生の行いを見て、障害のある子どものことは差別していいんだということを学んでしまう」