岐阜県の神岡鉱山で働いていた元従業員ら8人が、「じん肺」になったとして会社側に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、名古屋高裁は一審判決を上回る1億2000万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

 飛騨市の神岡鉱山で働いていた元作業員や遺族ら8人は、粉じんが出る作業で会社が適切な対策を怠ったために「じん肺」になったとして、三井金属鉱業などにおよそ2億6000万円の損害賠償を求めていました。

 去年、一審の岐阜地裁は、原告8人のうち3人を「じん肺」と認定したうえで、会社側におよそ9000万円の支払いを命じましたが、原告と被告の双方が判決を不服として控訴していました。

 16日の控訴審判決で、名古屋高裁は新たに3人を「じん肺」と認定し、原告8人へ合わせておよそ1億2000万円の支払いを命じました。

 夫が新たに「じん肺」と認定された女性は、判決後の会見で「夫がじん肺で苦しんでいることを裁判所が認めてくれてうれしい。会社はこれ以上じん肺被害者を苦しめることなく、謝罪してほしい」と話しました。

 判決を受けて、三井金属鉱業は「判決の内容を精査し、今後の対応を決定したい」とコメントしています。