新型コロナウイルスの拡大がおさまり、政府は行動制限の緩和を進めています。愛知県の豊田スタジアムでは6日、開催されたJリーグの試合で、観客数の上限を緩和する実証実験が行われました。

 6日の豊田スタジアム。Jリーグ「YBCルヴァンカップ」準決勝で、プロスポーツイベントでは国内初となる「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験が行われました


 ワクチンの「2回接種」か、10月3日以降の「陰性証明書」を提示した人を対象に、観客数の制限を緩和する実証実験で、豊田スタジアムの現在の上限1万人とは別に、1800席分のチケットを追加販売され、730枚が売れました。

 午後7時のキックオフが近づくにつれ、証明書の提示ブースにはサポーターが集まってきますが…。

(リポート)
「ワクチン・検査パッケージの受付のすぐ傍には、レーザーレーダーという特殊な機械があります。カメラで人の流れが読み取れるもので、密になっていないか感知できます」

 ブース周辺の人の流れをレーダーで計測して「見える化」し、今のブースの構造で人同士の間隔が十分とれるかを調べていました。

 スタジアムに入場後は、一般の観客とは離れた3階席と1階席の一部に限定。トイレや売店などのエリア分けは、今回はありませんでした。

 ワクチンの2回接種を終えた人も、間隔を空けて1つおきに座り、マスクは着けなければいけませんが、飲食は可能です。

 午後7時にキックオフ。初の決勝進出を狙うグランパスのサポーターも、応援に力は入りますが、マスクをしたまま、手拍子だけ。

 前半17分、グランパスの柿谷選手が先制ゴールのシーンでも観客は、マスクを着けたまま、それぞれの席で喜びました。

 グランパスサポーター大興奮の展開に、思わず上がる歓声。実はこうした応援スタイルも、実証実験で確認する内容です。

 今回の実験では、スタジアムに設置したAIカメラで、観客のマスク着用率や歓声やハイタッチといった観戦スタイルも調査。スタジアム内の換気状況などとともに、集めたデータを国に提供し、今後に活用されるということです。

 試合は、ホームのグランパスがFC東京に3対1で快勝。初の実証実験となったゲームを観戦したサポーターは…。

サポーター:
「(チケット代)500円じゃ安いんでね、ちょっと行かせてもらいましょうと。(手続きは)列のようにちゃんとロープが張ってあったけど、全然人がおらんくてスムーズに入れました」

別のサポーター:
「学生なので、ワクチンを打ってるというので安くなると、また足も運びやすくなるかなと思います。周りの人も(ワクチン接種を)受けてるってわかってるので、いろんな人にとって安心できる環境で見られると思います」

 スポーツを安全に観戦できる環境を目指し、名古屋グランパスは今後も同様の実証実験を行う予定です。