受託収賄などの罪に問われ有罪判決が確定した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人前市長(37)が、名古屋高裁に再審=裁判のやり直しを請求することがわかりました。

 藤井前市長は、市議会議員だった2013年、中学校への浄水設備導入で便宜を図った見返りに、業者から30万円の賄賂を受け取った受託収賄などの罪に問われ、4年前に執行猶予付きの有罪判決が確定しました。

 藤井前市長や弁護士によりますと、裁判では「30万円を渡したと業者から聞いた」とする贈賄側業者の友人男性の証言が重要な証拠となりましたが、去年10月、弁護士が確認したところ男性が「検事から聞いたので、そう思い込んでいた。記憶に基づくものではない」などと証言を否定したということです。

 藤井前市長は、証言は検察側の誘導により引き出されたもので証拠能力はないとして、11月30日にも名古屋高裁に再審請求することを決めたということです。

 取材に対し、藤井前市長は「裁判所には、再審で事実を明らかにして、潔白であることを証明していただきたい」と話しています。