受託収賄などの罪で有罪が確定した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人前市長が、無罪を証明する新証言を得たとして、名古屋高裁に再審=裁判のやり直しを請求しました。再審の扉は開くのでしょうか。

 30日午後、名古屋高裁を訪れた美濃加茂市の藤井浩人前市長。逆転有罪判決確定からおよそ4年。裁判のやり直しを請求しました。

藤井前美濃加茂市長:
「しっかり裁判所に事実を認めていただくことを信じるだけだと思っています」

 藤井前市長は、市長在職中の2014年に逮捕・起訴。中学校への浄水設備導入で便宜を図った見返りに、業者から賄賂を受け取った罪に問われ、一審は無罪。二審の高裁は逆転有罪。そして最高裁が上告を棄却し、判決が確定しました。

 裁判で争点となったのは、贈賄側業者の供述の信用性。確定判決では「30万円を渡したと業者から聞いた」とする贈賄側業者の知人男性2人の証言が重要な証拠となりました。しかし、弁護士がその知人男性を訪ねたところ…。

請求人弁護人:
「(検察官が)色々誘導して調書を取った。それで調書をとって終わったと思っていたら、突然名古屋地検の検察官から連絡があって、証人尋問に出てくれと言われた。証人尋問に出ることになって、証人尋問のちょっと前に検察庁に行ったら調書を見せられて、こういう風にしゃべってくれればいいと言われた。本当に藤井さんに申し訳ないことをしたと」

 逮捕からおよそ7年半、一貫して無罪を主張してきた藤井前市長は…。

藤井前市長:
「一度裁判所で話をしたことを、やっぱり違うんじゃないかと思われて、今回このように事実を教えてくださいました。本当にこのおふたりは感謝しておりますし、感謝だけではなく、事実をしっかり裁判所が認定することが大切なことではないかと思っております」