15日に迫った大学入学共通テストの直前になって、文部科学省は、新型コロナの影響で受験できなくても各大学の個別試験で合否を判定するよう求める、異例の「救済策」を打ち出しました。大学側は「どのような基準で合否を決めるのか」頭を悩ませています。

 およそ1600人が共通テストを受験する名古屋市立大学。14日会場の準備を進めるということですが…。

入試担当者:
「教室の机の間隔を広く保つために、教室によっては机を間引くというようなこともさせていただきますし、試験当日は窓を常に開けた状態で、常時換気をさせていただきます」

 試験中は窓を常に開放し、廊下も一方通行にするなど、新型コロナのオミクロン株がまん延する中、徹底した対策が取られます。

 そして万が一、濃厚接触者となってしまった受験生は、陰性証明書などを持参し、当日も症状がなければ別室で受験ができます。

 再びコロナ下で迎える大学受験の第一関門。今回は大学側が頭を悩ませる新たな問題が…。

名古屋市立大学の学生課長:
「やはり直前の通知というのは、正直なところで言いますとビックリ」

 11日に文部科学省が通知した異例の「救済策」です。

 パターンは3つに分けられます。1つ目は共通テストの本試験と追試験が受けられなかった場合でも、出願した大学の個別試験が受けられれば、その結果で合否を判断するというもの。

 2つ目はその逆で、共通テストのみ受験できた場合、その結果で合否を判定。

 3つ目は共通テストも個別試験も受けられなかった場合に、さらに再追試を設けて選抜するというものです。

名古屋市立大学の学生課長:
「もう片方の試験のみで判定するというのは、入試の公平性・公正性という点からすると非常に難しい問題かなと」

 大学側が頭を悩ませるのは「公平性の確保」と「合否の基準」。

 例えば名古屋市立大学の経済学部は、共通テストでは多くの国公立大学と同様5教科7科目を課し、2次試験は「数学」と「外国語」の2科目のみです。

 共通テストで幅広い分野の学力を試すことになっているため、2科目の2次試験だけで合否を判定するのは難しいといいます。

名古屋市立大学の学生課長:
「(名古屋市立大学は)7つの学部がありまして、それぞれ受験科目も違いますので、そういったところを慎重に判断していかなければならないかなという難しさがありますね」