名古屋を中心に活躍するタレントのきくち教児さんが、3月10日の東海ラジオ『大澤広樹のドラゴンズステーション』に出演し、3日に69歳で亡くなった元プロ野球選手の三沢淳さんとの思い出を語った。
三沢さんは中日ドラゴンズなどでピッチャーとして活躍し、引退後は衆議院議員も務めた。きくちさんはドラゴンズを応援するテレビ番組で共演した仲で、1歳年上の三沢さんは真摯な態度でテレビについてアドバイスを求めていたという。番組の前日にはトークのリハーサルもし、「真面目な人だった」と振り返った。
きくちさんは仲を深めるために、自分の趣味のスキューバダイビングやスキーに誘ったり、沖縄キャンプのときには、よく食事にも出かけたという。三沢さんの結婚式にも招かれるほどの仲で、訃報を聞いた際には、「泣けて泣けて仕方なかった」と偲んだ。
三沢さんは抗がん剤治療で入院していて、きくちさんも会いたい気持ちがあったものの、新型コロナが蔓延しているため、電話でのやり取りだけにしていた。3年ほど前に三沢さんが手術後に一旦退院した際に仲間で集まって快気祝いをしたが、その時はかなりやつれた表情をしていたという。
快気祝いの後、きくちさんは三沢さんから「これ、持っていてくれんか」と、茶封筒を渡された。中身は三沢さんの「100勝の記念ボール」だった。きくちさんは「あの時は明るく会話を交わしたが、心の中では『俺たち、これからあまり会えなくなるかなあ』と感じた」そうだ。
「ドラゴンズステーション」の放送当日のこの日、きくちさんはその記念ボールを持参し、「このボール、みんなに手に取ってほしい」と、コメンテーターとして出演した元ドラゴンズの鹿島忠さんや大澤アナウンサーに触れてもらいながら、「100勝記念とも何とも書いていないボール。それも淳らしい」と、しみじみと語った。
三沢さんが亡くなったことはきくちさんにとって本当につらい出来事だったが、この日のスタジオでは2人の思い出を、時に明るさ全開で披露した。