3月に愛知県の犬山市で開かれた市議会を取材すると、その様子は普段と少し違っていました。

 3月に開かれた犬山市議会。市長が答弁に立つなど、一見普段の議会と変わりませんが…。

(リポート)
「犬山市役所の議場です。議員席を見渡すと、女性ばかりです」

 これは犬山市が企画した『いちにち女性議会』で、彼女たちは市議会議員ではなく、一般の市民です。

参加した女性:
「小学校や地域社会における、身体障害との関わりについて質問します」

 みなさん、犬山市をよりよくするために議場で熱く語っていますが、なぜ女性だけが議員役をしていたかというと…。

犬山市議会事務局の担当者:
「現状、まだ女性の議員さんが少なかったり、なかなか追いつかない部分もあるだろうということで」

 犬山市には19人の市議会議員がいますが、そのうち女性は2人しかいません。そのため、女性に議会や政治の仕事を身近に感じてもらおうと企画されました。

 参加した女性の中には、大学生の姿もありました。

参加した女子大学生:
「食生活の安定は、子供の健やかな成長に大きく影響します」

 大学で管理栄養学を学んでいるこの女性は、犬山に農産物が少ないと感じた経験から、子供向けの農業体験イベントなどを提案していました。

参加した女子大学生:
「こういったでっかい所でやるって想像していなくて、全然心の準備をしていなかったんですけど、声も震えてとても緊張したんですけど、ちゃんと喋ることができてよかったです」

 これから社会に羽ばたく若い世代ですが、議員の仕事に興味がわいたか聞いてみると…。

参加した女子大学生:
「(Q.政治家に興味はある?)ないです。私は子供が好きなので、(将来は)保育園で一緒に調理とかもできる管理栄養士として働きたいなと思っています」

 議員という仕事に興味を持ってもらうのはなかなか難しかったようですが、その存在を身近に感じるきっかけになったようです。

犬山市の山田市長:
「(Q.女性議員を生むきっかけになる?)そういうきっかけになっていただくといいなとは思います。地域の関わりであったり、市政の関わりであったり、そういったものをより深めていただくきっかけになって、その延長線上に『よし、じゃあ自分も政治家になって』と繋がれば、それは良いことじゃないかと私は思っています」