高齢者の事故軽減に繋がるでしょうか。13日から安全機能の付いた、いわゆる“サポカー”に限り、運転できる免許への切り替えが可能になりました。

 名古屋市南区のホームセンターの駐車場で行われた、高齢者が対象の試乗体験会。サポカー限定免許を広く知ってもらおうと愛知県警が開きました。

 サポカー限定免許とは、自動ブレーキなどを備えた安全運転サポート車に限って運転できる免許で、道路交通法の改正に伴って13日から運用が始まりました。

 後を絶たないブレーキとアクセルの踏み間違い事故。愛知県でも去年2021年の1年間で164件発生し、このうち65歳上の高齢者が65件と全体の4割近くを占めています。

 こうした事故を減らそうと、国は高齢者ドライバーに運転免許の返納を促していますが、生活に欠かせない人も多く、ためらう高齢者ドライバーは少なくありません。

体験した60代女性:
「毎日(運転する)。買い物とか孫の病院について行ったりとか。主人が71歳なので、あと何年運転できるかなって話しています。(Q.免許返納は考えている?)75歳でやめようか、今迷っているところですね」

 返納はハードルが高いけど、運転する車を限定するのは問題ない…。

 そこで始まったのがサポカー限定免許。返納を検討してもらいながら、少しでも事故を減らすための取り組みです。

 実際、愛知県でもサポカーが普及し始めた2016年ごろから、踏み間違い事故はわずかながら減少しています。

愛知県警南署の担当者:
「ひとつの選択肢として、より安全な交通環境で乗っていただく「決意表明」みたいな形になろうかと思います。(サポートカーの)性能を過信することなく、安全運転に努めていただきたい」

 サポカー限定免許への切り替えは任意ですが、返納に比べれば受け入れやすく、家族も説得しやすいかもしれません。

体験した70代男性:
「女房はもう『やめろやめろ』言ってるから。どこまでサポートカーの威力があるか知りませんよ」

別の70代男性:
「80歳近くになったら、やっぱり(免許返納を)考えると思うけど。そういう免許の方がありがたいよね。何があるかわからんからね」