愛知県豊田市の「明治用水」の水を取り込む施設で大規模な漏水が発生した問題で、愛知県は農業用水を確保するため、別の川からの水のくみ上げを緊急で認めました。大規模な漏水から4日目の豊田市の明治用水頭首工の堰の上からお伝えします。

 現場では仮設ポンプを56台に増やすとともに、土のうを設置して水のくみ上げを続けています。

 こうした緊急対応で、愛知県は19日、西三河地域の工業用水について、使用量を通常の3割程度に抑えた上で利用ができるようなったと発表しました。

 施設を所管する東海農政局は、工場などへの影響を最小限に抑えるため、工業用水の確保を優先していて、農業用水については供給が止まった状態が続いています。

 周辺のコメ農家などに大きな影響がでていますが、この農業用水について、新たな動きがありました。

 県が明治用水の付近を流れる猿渡川と家下川の2つの川からの緊急的な水のくみ上げを認めました。

 明治用水を管理する土地改良区では今後、この2つの川に仮設ポンプの設置を進め、準備が整い次第、水のくみ上げを始める方針です。

 20日午前11時から東海農政局が会見し、仮設ポンプを5月中に110台に増設する方針を明らかにしました。

 これにより、農業用水も含め必要な水量の確保を目指すとしています。ただ、農家にとっては一番水が必要な時期となることから、一刻も早い状況の改善が求められています。