観光需要の喚起策として7月前半にも実施するとしていた「全国旅行支援」は、“第7波”との声も出始めた新型コロナの感染拡大を受け、政府は慎重な検討を迫られています。

 旅行を計画していた人、観光業界の受け止めは…。

旅行を予定している女性:
「沖縄に行きたいですね」

旅行を予定している別の女性:
「温泉とか、おいしいものを食べに行ったりとか」

 コロナ禍でなかなか行けなかった旅行について、この夏こそは…と楽しみにしている方も多いと思います。ここにきて気になる動きがあります。

木原誠二官房副長官:
「全国旅行支援につきましては、足元の状況も踏まえて、引き続き総合的に見極めた上で、7月前半中に適切に判断をしたい」

 新型コロナの感染が再拡大する中、政府は「全国旅行支援」の開始時期について慎重に検討を進めています。

 全国旅行支援は、従来の旅行割引「県民割」から全国版に拡大したものです。公共交通機関を使った旅行であれば、クーポン券を含め最大1万1000円の補助を受けることができます。

 当初は7月前半の開始を目指していましたが、感染再拡大で慎重に見極める必要が出てきたのです。

<政府関係者>
「今すぐやって感染拡大の懸念を増やすこともない。開始を延期するなら、夏か秋のどちらかになるだろう」

Q.開始時期が延期されたら?

旅行を予定している女性:
「ちょっと残念ですよね。去年とかGoToとか使って旅行行ったことあったので、だいぶ助かった部分があったので」

旅行を予定している別の女性:
「安くなった方がうれしいし、その分いっぱい遊べるじゃないですか。ちょっと悲しいです。せっかく安くなると思ったのに」

 名古屋市中区の名古屋マリオットアソシアホテルでは、774ある客室のうち、7月にはすでにその半数が予約で埋まっています。

 2020年の同じ時期にはおよそ3割ほどだった予約が、今年はすでに5割を超えていて、最終的には7割ほどを見込んでいるといいます。

 さらに小学生以下限定で、ランチとディナーのビュッフェの代金を割引するキャンペーンを予定しています。

 夏休みのファミリーを取り込む狙いでしたが、旅行支援の成り行きには気をもみます。

名古屋マリオットアソシアホテルの総支配人:
「延期になった場合は非常に残念と思いますけれども、昨年我々もそういった緊急事態宣言の中で近隣のお客さまに来ていただいた経験もありますので、近隣のお客さまに楽しんでいただくプランを作っていきたい」

 名古屋市港区の旅行代理店では…。

シティツアーズの担当者:
「今年度は昨年度に比べて売り上げで約4倍、予約件数でも3倍以上はご予約を頂戴しているかなと」

 この代理店は、予約のおよそ7割が北海道や沖縄など中部地方以外が目的地だそうです。全国旅行支援を当て込んだ予約も多いのかもしれません。

シティツアーズの担当者:
「あれだけ『やります』ということで、皆さんの期待値が上がってたものが中止(延期)になるというと、旅行を少しまだ控えようかなという気になってもおかしくないかなと思いますので。中途半端な形で発表するのはやめていただきたい」

 開始時期の判断は、7月10日の参議院選挙後となる見通しです。