“第7波”とされる新型コロナウイルスの急激な感染拡大で、医療や行政の現場が連日対応に追われています。名古屋市の司令塔であるコロナ本部の内部を取材しました。

 名古屋市の「コロナ本部」。コロナ対応の司令塔として、入院先の医療機関や療養施設の調整、それに患者が移動に使うタクシーの手配まで、その業務は多岐にわたります。

 患者の症状などから救急搬送が必要かを判断し、入院先調整の指揮を執る医師の滝仁志主幹。第7波に「ある傾向」を感じ取っていました。

名古屋市新型コロナ感染症対策部の滝主幹:
「第6波と明らかに違うのは、お子さんの救急搬送の要請が多くてですね、やむを得ず救急車での搬送を諦めざるを得ないケースも多く出てきております」

 感染の急拡大はこれまでもありましたが、子供の救急搬送が困難になるケースは初めてだといいます。

滝主幹:
「やはりBA.5による感染の急拡大。小児はワクチンの接種率がなかなか上がってこないところがありまして、熱性けいれんとか、高熱を出して水が飲めなくなって入院が必要となるような方が非常に増えております」

 22日午前に入った搬送要請にも、子供が含まれていました。

滝主幹:
「今日はまだ15歳が1番若いですけれども、本当に0歳児ですとかも…」

 このうち15歳の患者は、コロナによる高熱の影響で転倒し顔に打撲を負ったうえ、意識も朦朧としていて病院に運び込まれたといいます。

 今週に入り、大人も含め毎日30人から40人ほどの要請が舞い込むコロナ本部。入院調整の業務は24時間体制です。

滝主幹:
「病床使用率で言いますと、まだ30%台ということですけれども。事実上、病院は最大限の努力をして患者さんを受けていただいているところですので、これ以上の入院する患者さんの増加は非常に難しいところになっております」

 感染拡大による業務への影響は、ほかにもあります。

 名古屋市の河村市長は、各保健センターからコロナ患者に行っている健康観察の電話連絡を、22日から高齢者や重症化リスクが高い人などに絞ると発表しました。

 保健センターの業務がひっ迫しているためで、重傷化リスクが低い人には携帯電話のショートメッセージ機能で連絡するとしています。

河村名古屋市長:
「(重症化リスクある人は)死亡のリスクは高いですので、そこは丁寧に名古屋市としてもフォローする必要があるので、全力投球をさせていただく」

【動画で見る】第6波と明らかな違いが…入院先調整の指揮執る医師「“お子さんの救急搬送”の要請多い」搬送困難なケースも