新型コロナウイルスの感染はいま、子供にも広がっています。夏休みに子供を預かる学童保育では、感染対策に気を配りながら夏の思い出作りを手伝っていました。

 名古屋市昭和区の「民間学童保育かんかん」。午前8時前から多くの子供たちが集まってきました。

 夏休み中も子供を預かるこちらの学童保育。26日は週に1度の遠足の日です。

民間学童保育かんかんの遠藤代表:
「くらがり渓谷に遠足に連れて行きます。夏休みはたくさん自然のある所に連れて行ってあげたいなと。室内に閉じこもっているよりも、マスクを外して遊べるような所に連れて行きたいという思いはあります」

 バスの中では、マスクと換気を徹底。子供たちもマスクをつけたままほとんどしゃべらず、気持ちをグッと抑えているようでした。楽しい遠足も、移動の間は我慢です。

 およそ1時間、到着したのは岡崎市の「くらがり渓谷」。ひんやりとした水が流れる納涼スポットで、たっぷりと自然を満喫できます。

 大自然の中、元気いっぱいはしゃぐ子供たち。夏休みらしい光景です。遠足の楽しみ、弁当の時間は…。

(リポート)
「楽しそうに川の中で子供たちが遊んでいますが、別のグループは早くもランチタイムです。時間をずらして昼食をとるようにしています」

 食べる時間はグループごとに分散。間隔をあけるなど、感染対策をとっていました。

民間学童保育かんかんの遠藤代表:
「今来ている人たちも、ここがなかったら行く場所がないということで。私たちもスタッフとして誰かがかかってしまうと迷惑がかかるなということで、みんなピリピリしながら活動しています」

 大人が気を遣う子供たちの感染対策。ただ、その子供の感染が広がっているのが実情です。

 愛知県が「第7波」とした6月21日以降、新規感染者の年代別での割合は10代以下の子供が最多。ボリュームでは第6波を上回っています。

「あいち小児保健医療総合センター」の伊藤健太医長は、「病院を挙げて各部署色んな人間で助け合いながら、日々本当に自転車操業というのが一番言葉としては適している」と話します。

 子供がコロナに感染した場合、成人に比べ重症化するケースは少ないといわれていますが、全世代で感染が広がる中、その割合も増えているといいます。

伊藤医長:
「(子供の)入院要請というのが第5波・第6波に比べても相当高い頻度で起きてきている。そういう中で、小児のコロナ用のベッドを特別に準備というのはなかなか難しいですよね」

 伊藤医長が勤務する病院でも、集中治療室を含む13床あるコロナ病床のうち、常に8〜10床が埋まっている状況が常態化。病床使用率は60%以上に上ります。

 さらに、この夏休みシーズンの感染拡大はもう1つの問題も…。

伊藤医長:
「夏休みは検査の入院とか手術の入院が増えるんですよ。コロナとか他の感染症診療の方に人手とか場所が取られすぎると、小児病院でしか診療できないような治療とか検査が滞ってしまう」

 伊藤医長によると、今のところ一般の診察に大きな影響は出ていないものの、感染や濃厚接触者となり出勤できない医療スタッフも増えていて、日々切迫した状況だと言います。

伊藤医長:
「(コロナも)もう3年目になって、夏らしい夏、子供にそういうことを経験させたいって思うような方がいても、自然なことだと思うんですよね。感染症対策のところ、ワクチンを打てるときに打っていただくということが、この今非常につらい状況を乗り越えるには大事なポイントなのかなと思います」