新型コロナの感染に、減少傾向はうかがえません。医療機関の負担を減らすため、一部の自治体で患者自身で行う抗原検査に基づいた陽性登録が始まりましたが、「陽性なのに登録できない」という問題が起きているといいます。

(リポート)
「名駅に設置された名古屋市陽性者登録センターです。申請者から送られてきた情報をもとに、医師らが陽性判定をしています」

 医療機関への負担を減らすために、名古屋市が10日に開設した陽性者登録センター。市内の無料PCR検査場や、自身で抗原検査キットを使って検査し陽性だった場合、ネットから申請すると医療機関を受診しなくても陽性者として登録される仕組みです。

Q.実際にどういった作業を行っていますか?

医師:
「中には(検査結果の画像が)不明瞭な場合もありますので、そこに関して私たちが判定する必要があります」

 8月10日の開設から21日までで、5508件の申請がありました。

名古屋市健康福祉局の主幹:
「お盆明けは(1日あたり)700件を超える申請もございました。全体の区の中の陽性者数の1割ぐらいが、こちらのセンターの登録だと聞いております。1割でございますけれども、その分医療機関のご負担も軽減できているのではないかと」

 しかし、申請の過程では次のような課題も…。

医師:
「厚生労働省で認可されている抗原検査キットを用いて判定するとなっていますので、例えばここに示してあるものは『研究用』となっていますので、臨床的にこの方が本当にコロナウイルス陽性と判断することはできない」

 正式な診断には使えない研究用の検査キットで申請する人が全体の2%ほどいて、「陽性」と判定できない場合があります。


 インターネットでも抗原検査キットがたくさん販売されていますが、よく見てみると、どれも『研究用』と書かれています。

 実はネットで販売されているものは、ほとんどが診断には使えない「研究用」です。国が承認している検査キットは、取扱い薬局などで購入する必要があるため、よく確かめて入手することが重要です。