新型コロナウイルスの感染は収束が見えていないなか、オミクロン株に対応する新たなワクチン接種が始まろうとしていますが、効果はどのくらいあるのか、専門家に聞きました。

 ファイザー社とモデルナ社は、オミクロン株対応のワクチンを承認するよう厚労省に申請していて、早ければ10月半ばから接種が始まる見通しです。

 どのくらいの効果があるのか、感染症が専門の愛知県がんセンターの伊東直哉医師に聞きました。

伊東医師:
「オミクロン株対応ワクチンは必要だと思います。従来型を使うより良いと思います。ファイザー社のワクチンはオミクロン株のBA.1に対する中和抗体の値が平均で1.56倍から1.97倍になるということが報告されています」

 ファイザー社もモデルナ社もいずれも中和抗体の値、つまり体内に入ったウイルスの活動を抑える抗体が1.5倍〜2倍近くに上昇することが報告されています。

 しかし、従来の型とオミクロン株の両方に対応した「2価ワクチン」であるため、これまでのワクチンよりは効果が見込めるものの、世界でみても未接種のため、実際にどの程度感染しづらいかや、重症化しづらいかはわかっていないと話し、過度な期待はできないと説明しています。

伊東医師:
「(新型コロナの)ワクチン自体は回数を重ねていって免疫を付けていく。今のワクチンでもオミクロン株に対する感染予防効果や重症化を予防する効果はありますので、現時点ではワクチンの種類にこだわらず、接種できるタイミングで接種を考えてほしい」