9月1日から新学期となる学校が多くありますが、新型コロナの感染再拡大への心配は続いています。BA.5対策強化宣言も再延長され、感染対策に気を付けながらの学校生活が始まります。

 名古屋市西区の比良西小学校。ドリルなど2学期用の教材も用意し、夏休み明けの準備が進んでいました。

 9月1日に始業式を迎え、教室に子供たちが戻ってきますが、同時に「コロナ禍の中での学校生活」も再開します。

 まだまだ多い、子供の間の感染…。市の教育委員会によると、感染などを理由に始業式を欠席するという連絡が相次いでいるといいます。

松藤校長:
「(窓を)ここまで開けようねというところ(目印)。これを夏休み中に一回全部きちんと貼り直して。前の人が洗っている時はここで待つみたいな。混まないようにはなっている」

 すべての教室に空気清浄機を設置し、毎朝の健康観察も欠かさず。9月もBA.5対策強化宣言が延長となる中、感染対策をとりながらの2学期が幕を開けます。

 その2学期には、修学旅行に野外学習などの行事が待っています。

松藤校長:
「旅館に入るときも検温してから入るだとか、夕食も部屋ごとに食べるだとか」

 6年生の修学旅行では、例年泊まっていた京都の宿をやめ、大きめの部屋がある奈良の旅館を貸し切って「密」を回避。入念な下見を踏まえ、消毒から黙食のルールまで、細かい所も「対策」を徹底します。

 5年生が行く野外学習では、宿泊所を同時に使う学校を6校から4校に絞った上で、一部屋あたりの人数を減らします。

松藤校長:
「かまども一個おきに使ったりとか、寝るのも向かい合わないように、こうやって寝なさいみたいな。食事の時とお風呂の時と就寝の時は、マスクを外すことになるので、その時にどうするかと。去年・一昨年については行事1つをとっても二転三転した。学校が始まった以上、子供たちの活動は止めないで、楽しい学校であることが大前提」

 感染対策にピリピリしながら迎える2学期。学校再開後の感染状況がどうなるのか、感染症を研究する愛知県立大学の清水宣明教授に聞きました。

清水教授:
「学校の感染も起こりますけど、今は社会全体の感染が収まっていく。秋は気候がいいですし、換気がうまくできるようになる」

 暑さも和らぎ換気の機会も増えるこれからの季節は、感染が収まっていくのではないかと予測しています。

 感染状況が落ち着く「入口」となるのか。愛知県では9月末までBA.5対策強化宣言を延長し、基本的な感染対策の徹底が呼びかけられていますが、清水教授はその効果については疑問視しています。

清水教授:
「あまり内容が具体的なものではなかったですよね。具体的な効果は大きくなかったと思います」

 ただ、宣言を出した背景を踏まえると、今回の延長は妥当だと話します。

清水教授:
「(新型コロナは)もう十分に社会全体に広まったということです。その過渡期の対策として、BA.5に対する特別措置(が出された)。今の段階で啓発の意味で出した側面が大きいので、それをスパッと切るわけにはなかなかいかないですね。確実に減らしていきましょうという意味を込めての延長だと思います。それは妥当なものだと思います」