値上げの波は市民の足にまで影響が及んでいます。岐阜市をはじめ、美濃地域の多くの市町のタクシー運賃も値上げする見通しとなりました。その理由は燃料費の高騰だけでなく、意外なところにもありました。

 中部運輸局によりますと、岐阜市と周辺34市町のタクシー会社は36社で、このうち17社が運賃の値上げを申請しました。

 現在、岐阜地区のタクシーの運賃は初乗り600円で、255mごとに90円加算されていますが、2023年以降運賃が値上げされる見通しです。その理由は…。

日本タクシーの山田社長:
「急激な原油の価格高騰や円安であったり、諸物価が非常に上がってきている」

 タクシーの燃料となるLPガスの値段は、円安による燃料費の高騰で、ここ10年で倍にまで膨れ上がっています。

 また、便利なキャッシュレス決済も値上げに影響しているといいます。キャッシュレス決済に必要な端末の設備投資や通信費、手数料などが経営を圧迫。

 岐阜市に本社を置く「日本タクシー」は260台の車両を保有していますが、決済端末やIP無線などの通信費だけで、1台あたり月およそ6千円のランニングコストがかかっています。

日本タクシーの山田社長:
「機材を購入しなくてはいけないですし、そこに通信費ということで月々固定的なランニングコストがかかる、決済手数料というのもかかります。そういったものは10年前はなかなか少なかった」

 これにより、タクシー会社はどこもひっ迫。中部運輸局は運賃の改定が「必要」と判断し、今後審査を進めて新たな運賃を決めることにしています。