“最強寒波”は24日夜から25日にかけてピークとなる見通しです。東海3県でも大雪が予想される所もあり、各地で備えが進んでいます。

 日本列島を襲う、10年に1度レベルの最強寒波。強い冬型の気圧配置の影響で、日本海側を中心に大雪となる恐れがあります。

 この寒気は東海3県にも流れ込み、25日にかけて岐阜県の山地を中心に大雪になり、愛知の平地や三重の北中部でも大雪となるところがある見込みです。

 東海3県の雪のピークは、24日夜から25日昼過ぎと見られています。

 寒気の影響で、名古屋市内や三重県北部などで「霰」とみられる氷の粒が確認されました。

撮影者:
「…イテテテテ…イテテテテ…」

 悲鳴を上げる撮影者。小さな氷の粒が体に打ち付けています。

【動画で見る】“最強寒波”ついに襲来…名古屋や三重北部等で「霰」とみられる氷の粒打ちつける 大雪や凍結等に各地で備え

 徐々に迫る最強寒波に、各地で備えが進んでいます。

 岐阜市のホームセンターで外の売り場に並ぶのは、除雪用のスコップです。この店では23日までの3日間で243本も売れました。特に軽くて丈夫なポリカーボネート製のスコップは一旦売り切れとなり、急遽60本ほどを追加で仕入れたといいます。

 他にも、玄関先などに撒いて雪を溶かす融雪剤も売れ行きが好調で、5キロ入りなどの袋はすでに完売しました。年末の「クリスマス寒波」を教訓に、駆け込みで買い求める人も多いということです。

 最強寒波への備えは、観光地でも進んでいました。

(リポート)
「御在所岳の山頂付近にきました。いまこちらの温度計を見てみますと氷点下5度ほど、大変風も強く吹雪いています。十年に一度とも言われている今回の強烈な寒波に向けてのこちらでの対策を聞いていきます」

 三重県菰野町の御在所ロープウェイ。山頂の標高は1212mです。凍結対策として、職員が融雪剤の塩化カルシウムを道に撒いていました。

 最強寒波を前に、70cmほどの雪を取り除くことができる除雪機の慣らし運転もしました。

御在所ロープウェイの樋口さん:
「マイナス10度になりますと本管から来る水道が凍結する恐れがあります。(水を)止めちゃうとずっと凍結していきますので、仕事が終わったら必ず水を出します。今シーズンは初めてですね。ここまで冷えるのはなかなか無かったので」

 水道管の凍結を防ぐため、24日は営業終了後、水を出しっぱなしにして朝を迎えるといいます。

 雪に警戒しますが、25日も営業予定だということです。来場する際には十分に気を付けてほしいと話します。

御在所ロープウェイの樋口さん:
「お越しになる際は、スタッドレスタイヤもしくはチェーンを着用して来ていただきたいと思います。しっかり弊社の方も対策して、それでお客様を安全にお出迎えしたいです」

 菰野町の北側・いなべ市の商業施設でも、雪による倒木の恐れがある箇所にロープを張るなど、対策が進められていました。

グリーンクリエイティブいなべの伊藤さん:
「水道管が破裂してしまわないように、水道管の凍結を防止するための作業をしています。例年にない寒波がくるということだったので、ここをこういう風に養生するのは初めてですね」

 例年にない寒波は、農作物にも影響を及ぼす恐れがあります。同じいなべ市のイチゴ農園も最強寒波に頭を悩ませていました。

いちご園ニコニコファームの新山代表:
「奥にありますけど、茶色いのが暖房機になりますね。これで基本的に(ハウスを)温めておりまして」

 この農園では、ハウス内の温度が7度を下回ると、自動で暖房が入るよう管理されていますが、今週に入りその稼働頻度が増えているといいます。気がかりは燃油代です。

いちご園ニコニコファームの新山代表:
「重油の消費量ということですよね。やはり近年もう値上がり、毎年のように値上がりしていますので。だいたいまあリッター100円くらいになっているのかなあ。(去年と比べてリッターで)5円ぐらい上がっているような感じの印象を受けますよね」

 1800リットルのタンクに貯蔵した暖房の燃料・重油はみるみる消費されます。さらに強風で、ハウスが飛ばされないよう換気する必要があるため、暖房が常に動いている状態だといいます。

 寒波と原油高のダブルパンチに加え、25日は大雪に備えてイチゴ狩りも臨時休業することになりました。

いちご園ニコニコファームの新山代表:
「こればっかりは自然のことですのでまあ致し方ないのかなと…」