岐阜県岐阜市の日野基本射撃場で隊員3人が自動小銃で撃たれ死傷した事件の捜査は今後、自衛隊の警務隊が主導します。警務隊とはどのような組織なのか、まとめました。

 警務隊は「自衛隊の警察」とも呼ばれていて、犯罪捜査や要人警護などを行います。

 職務中に自衛隊員が起こした事件や、自衛隊員に対する事件、自衛隊の敷地内や施設で起きた事件などを捜査します。

 今回の事件は陸上自衛隊が担当しますが、海上自衛隊や航空自衛隊にも警務隊があります。

 自衛隊に詳しい、軍事ジャーナリストの井上和彦さんに聞きました。

Q.警務隊とはどういう存在?

井上和彦さん:
「警務隊は自衛隊内の犯罪の捜査・取り締まりなどを行う組織です。一般にはミリタリーポリス、憲兵というかたちになるんですけれども、自衛隊の中の捜査であって、一般国民は対象ではないんです。外国では(軍内部の捜査に)警察は入らないんです。基本的には軍法に従って、軍隊の中のミリタリーポリスが軍隊の中で起きた事象を捜査し、逮捕して、軍法に基づいて処罰するというかたちになります」

Q.警務隊と警察の違いは?

井上和彦さん:
「日本の警務隊は逮捕権はあるんですけれども、軍法会議・軍事法廷がないものですから、警察が捜査を一緒に行って、検察庁に送致するという手続きになります。自衛隊の中の様々なシステム、自衛隊の中のルールにどう問題があったかというのは、警務隊でないと分からない部分があります」

【動画で見る】隊員3人死傷の発砲事件で今後の捜査を主導…自衛隊の組織『警務隊』とは 捜査の対象事件や“警察との違い”