プロ野球日本シリーズのチケットが争奪戦となり、ネット上で高額転売されています。2019年には、転売を禁止する法律が施行されましたが後を絶ちません。

 日本シリーズのチケットは、26日正午から一般発売が始まりましたが、かなりの争奪戦となりました。チケットの仲介サイトでは、通常1万1000円ほどのチケットが、20倍近い19万8000円で転売されていました。

 こうしたチケットの転売が度々問題となっています。2023年4月には、WBCの3500円のチケットを7万5千円で転売したとして男が逮捕されました。

 2023年8月には福山雅治さんのコンサートで不正転売が複数確認されました。所属事務所は不正転売されたチケットでの入場を認めず、売った側、買った側ともにファンクラブから永久退会とする対応をとりました。

 転売を防ぐため、2019年にはチケット不正転売禁止法という法律が施行されました。

 罰することができる条件があり、「転売禁止をチケットに明記」「日時・場所などを指定」「購入者(入場者)の氏名と連絡先を確認できる」などがあります。

 これらの条件を満たしたチケットを販売価格より高く、繰り返し転売した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

 警察庁によりますと、2022年に全国で検挙されたのはわずか13人です。匿名のアカウントを使ったやりとりが多いことや、繰り返し転売したという立証が難しいことがその理由です。

【動画で見る】日本シリーズのチケット発売で“争奪戦”に…度々問題となる『不正転売』禁止する法律施行も検挙少ないワケ

 チケット転売防止のため、一部の公演では購入者の氏名をチケットに印字する対策をしています。

 体調不良などのやむを得ない事情で行けなくなった際に、転売できないという問題も出てくるため、デジタル庁がチケット販売大手と共同で実証実験を始めています。

 専用の公式サイトを使い、マイナンバーカードで本人確認をすることで1人1枚に限り転売可能にすることで不正な転売を防ごうとしています。