不正経理を命じられ、2015年に自殺した愛知県消防学校の職員だった男性の遺族が、およそ9700万円の損害賠償を求めて県を提訴しました。

 訴えによりますと、愛知県消防学校の職員だった吉田建さん(当時27)は、2014年から上司の指示で不正経理を行い、発覚後ストレスで精神障害になり、2015年に自殺しました。

 吉田さんの父・桂一さん(64)ら遺族は、不正経理の指示は強い心理的負荷を与えるもので、県の指導管理が不十分だったとして、9700万円余りの損害賠償を求める訴えを起こしました。

 県側は上司からの不正経理の指示については認めていますが、裁判所は遺族側が自殺を民間の労災にあたる「公務災害」と認めるよう求めた訴えを退けています。

 父の吉田桂一さんは「親としては息子の死を無駄にしないように、訴えかけられることはやっていきたいなという思いでございます」と話しています。

【動画で見る】不正経理命じられ精神障害に…27歳で自殺した愛知県職員の遺族が県を提訴 9700万円余りの損害賠償求める