受託収賄などの罪で有罪が確定した岐阜県美濃加茂市の藤井浩人市長が求めていた再審=裁判のやり直しについて、名古屋高裁は改めて再審を認めない決定をしました。

 美濃加茂市の藤井市長は、中学校への浄水プラントの導入で贈賄側の業者に便宜を図る見返りに現金30万円を受け取った受託収賄などの罪に問われ、1審は無罪だったものの、2審の名古屋高裁で有罪判決となり、2017年に確定していました。

 有罪判決では業者の知人男性が「『市長に現金を渡した』と業者から聞いた」という証言が重要視されました。

 しかし、藤井市長は再審請求で「弁護団が知人男性に聞き取ったところ『取り調べで検察に聞いた前提に合わせて証言した』と明らかにした」と主張し、誤った証拠で有罪にされたと訴えていました。

 2023年2月、名古屋高裁は知人の証言の変遷について「8年以上が経過し記憶が減退するのも当然で、にわかに信用できない」として「確定判決に合理的な疑いが生じる余地はない」と請求を棄却。藤井市長側は決定を不服として異議を申し立てていました。

 名古屋高裁は12月25日「無罪を言い渡すべき明らかな証拠に当たらない」として改めて再審を認めない決定をしました。

 藤井市長は「非常に残念な結果となり、再審制度の難しさを痛感しています。今後、新たな証拠を見つけ次第、第二次再審請求を行いたいと考えています」とコメントしています。

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