10日、名古屋市中区のホテルで東海地方の財界人が一同に集まり、賀詞交歓会が開かれました。各企業のトップが2024年の見通しについて語りました。

 賀詞交歓会は名古屋市中区の「名古屋観光ホテル」で開かれ、地元財界人など約600人が集まりました。元日に発生した能登半島地震を受け、例年ならお祝いムードで彩られるステージも金屏風はありません。食料を届け、被災地を支援した企業のトップは…。

敷島製パンの盛田淳夫社長:
「パンというのは火がない所でもすぐに食べていただける。こういった大きな震災があると、まずはできる限り協力するのが我々が期待されている役割」

 賀詞交歓会に先立って、東海地方の経済4団体のトップが揃って、年頭の記者会見が行われました。

 中部経済連合会の水野明久会長は…。

中部経済連合会の水野明久会長:
「(南海トラフ地震が起きた場合に)経済活動が長期に止まってしまうということになると、国内だけじゃなくて世界経済にも影響を及ぼす。今一度点検をしていただいて、万一何かあった時に企業活動の維持・早期回復を目指す準備をお願いしたい」

 10日は、日経平均株価はバブル期の1990年3月以来、33年ぶりに3万4000円台を回復し、長年低迷にあえいだ日本経済に明るい兆しも出てきたようですが…。

三菱UFJ銀行(中部駐在)の高原一郎副頭取:
「不確定要素は、皆さんご不安はもっていらっしゃると思いますけれども、この地域はモノもしっかり作られていますし、堅調に推移することは変わらないと思います。『力強く』という言葉を使ってもいいくらい明るいんだと思います」

 2024年、神宮前駅周辺の再開発など、大プロジェクトを手掛ける名古屋鉄道は…。

Q.今年を漢字1字で表すと?
名古屋鉄道の高崎裕樹社長:
「今年は『新』ですね。いろんな新しいことを始めますんで、うちも。新しいことをどんどん始めて、将来の成長につながる一年にしたいなと思っています」

 さらなる経済の好循環につなげるため、「持続的な賃金上昇」の必要性を訴える声も聞かれました。

 名古屋商工会議所の嶋尾正会頭は…。

名古屋商工会議所の嶋尾正会頭:
「低迷していた30年をここで断つ。2024年の賃上げが、たぶん決め手になると思います。賃上げをどういう形で大企業のみならず、中小企業に波及させるかにかかっているんじゃないかなと。ぜひ、あらゆる経営者に頑張ってもらわないかん」

 重苦しい空気で幕を上げた2024年。一転、のぼり龍のごとく日本経済の復活となるか、底力が問われる一年になりそうです。

【動画で見る】UFJ副頭取「この地方は堅調に推移する」賀詞交歓会に東海地方の財界人集まる 持続的な賃金上昇訴える声も