名古屋市中村区で7月12日に起きたスポーツカーの盗難事件では、犯行の瞬間を撮影していた被害者の男性が動画をSNSにアップしたところ、車が見つかりました。

被害に遭った男性:
「おい!何してんねん、お前!おい!何してんねんて!」

 コインパーキングに停まるスポーツカーに乗り込む2人の人物…。


目の前で愛車『RX-7』盗まれる…「車パクんな!」ドアも閉めず猛スピードで逃走 撮影した被害者の無念

被害に遭った男性:
「おい!車パクんな!」

 男性の声に慌てたのか、ドアを開けたまま猛スピードで走り去りました。

被害に遭った男性:
「まさか自分の車が盗まれると思っていなかったので、本当に驚きが強いです。動画を撮ってから二十数秒で出ていかれているので、手際がいいというかあっという間でした」

 事件は、名古屋市中村区で7月12日午前1時すぎに発生しました。在宅中だった被害者は、外で鳴ったクラクションが「自分の車と音が似ている」と思い窓から外を確認したところ、自分の車が盗難に遭う瞬間を目撃し、動画を撮影しました。

 被害にあった車は、マツダのスポーツカー「RX-7」。警察は「窃盗の疑い」で捜査しています。

 この車が狙われた理由について、車の盗難問題に詳しい日本カーセキュリティ協会の撹上さんに伺いました。

 今回盗まれた「RX-7」は90年代初頭に出たスポーツカーで、窃盗グループに狙われる理由として3点挙げました。

 1つ目に、映画やテレビゲームなどの作品に登場する車が世界中で人気で、価格が高騰していること。

「RX-7」は映画「ワイルドスピード」に登場し、主人公の相棒が乗っている車です。状態が良ければ、日本の相場では500万円以上の値がつきます。

 また「スカイラインGT-R」という車は、「ワイルドスピード」の2作目で主人公が乗っていて、1000万円以上の値がつきます。

 2つ目は、「RX-7」は馬力の高いスポーツカーとしても人気ですが、現在は排ガス規制などにより製造することができないため、数がとても少なく希少性が高いためです。

 3つ目は、90年代初頭の古い車でセキュリティが弱いためです。今販売されている車にはほとんどついている「イモビライザー」などのシステムもついていないため、犯人にとっては盗みやすい車だといいます。

 こうした車種の盗難は、2020年の年末頃から目立つようになったということです。盗まれた車は多くが海外に船で運ばれますが、コロナの影響で止まっていた船の往来が年末ごろから再開したことで、盗難が増えたのではないかとみられています。

 今回盗まれた「RX-7」は無事車が見つかり、15日に被害者本人に改めて話を聞きました。

 盗まれた翌日の13日夕方ごろに警察から「車が見つかりました」と連絡があり、見つかった場所は愛知県稲沢市内のコインパーキングだったということです。

 被害者の男性は、TwitterなどのSNSでこの動画を投稿したところ300万回以上再生され、多くの人にシェアされました。その動画を見た人が近所に放置してあった車を発見し、「SNSで拡散されている車があった」と通報してくれたといいます。

 2020年に全国で盗難の被害に遭った車種は…。

1位:プリウス 517台
2位:ランドクルーザー 395台
3位:レクサスLX 286台

 防犯対策をして、愛車がなくなってしまわないようご注意ください。